この記事は RTAGamers Advent Calendar 2023 の5日目の記事です。
2023年5月に発売されたパズルボブルシリーズの最新作「パズルボブル エブリバブル!」は、2021年の初報の時点で開発スタッフがRTAを推奨する発言をしたことで大きな話題となりました。
時は流れ「パズルボブル エブリバブル!」の発売から半年ほど、開発者にRTAが推奨された今作のRTAの現況をご紹介します。
speedrun.comの概況
現在、「パズルボブル エブリバブル!」のspeedrun.comのページには、大きく分けて以下の2つのカテゴリがあります。
- Story Mode
- Puzzle Bobble vs Space Invaders
アクティブ走者数は2023年12月1日時点で10人、パズルゲームというそこそこマイナー寄りなジャンルでは割と頑張っている方だと思います。
シリーズの他の作品のアクティブ走者数が同時点で1人や2人なのと比較しても、「パズルボブル エブリバブル!」RTAの盛り上がりが伺えます。
Story Mode
ここからは、それぞれのカテゴリを詳しく見ていきます。
Story Modeはその名のとおりストーリーモードを攻略するカテゴリで、NGとNG+の2種類に分けられています。そこからさらに細分化されていて、
- ~10-15
- ~11-20
- ~EX 10-10
- ALL STAGES ABSOLUTELY
に分かれています。
詳しく話すとネタバレになってしまうので真実は君自身の目で確かめてほしいのですが、いくつかの区切りがあるストーリーモードをどこまで攻略するかによって分けられていています。なかでも「ALL STAGES ABSOLUTELY」はストーリーモードの全270ステージをクリアしなければならないハードなRTAです。
さて、そんなStory ModeのRTAですが、2023年12月1日現在で走者は3人しかいません。
そのうえ、走者がいるのもNGの「~10-15」のカテゴリだけで、記録の投稿も5回とそこまで頻繁に記録の投稿がされているわけではありません。
この理由の1つとして、単純にこのRTAが長いことが挙げられます。
パズルボブルのRTAはこれまで長くても1時間(SFC版パズルボブル)、1人用モードのRTAであれば10分~20分ほどと、比較的短いものがほとんどでした。
日本国内を中心に多くのパズルボブル走者は短いRTAに慣れてしまっていたこと、それよりももっと短い時間でできるRTAが同じ作品内に存在することが、Story Modeの走者があまり多くないことの理由になっているのではないかと思います。
Puzzle Bobble vs Space Invaders
現在の「パズルボブル エブリバブル!」RTAの主戦場、Puzzle Bobble vs Space Invadersです。
スペースインベーダーとコラボした同名のミニゲーム、通称「パズボベーダー」の全3ステージを攻略するカテゴリで、RTAでなくても10分~15分ほどでクリアできてしまう手軽さが人気です。
2023年12月1日現在で走者は8人。当初はStory Modeがメインカテゴリだったのですが、あまりにもPuzzle Bobble vs Space Invadersが盛り上がっているのでメインカテゴリに昇格したという過去があります。
驚くべきはその更新頻度の高さで、記録の投稿は23回おこなわれています。気が付けば全員6分切りというすさまじい記録の並ぶリーダーボードになってしまいました。筆者はかつて8分14秒という記録を出しているのですが、このリーダーボードの前に申請ができずにいます。
それはさておきゲーム自体はとても面白いし手軽に走れるので、これまでパズルボブルをやったことがない方もぜひ走ってみてください。
Puzzle Bobble vs Space Invadersが人気のわけ
このカテゴリが人気を集めている大きな理由は、その手軽さだと思います。
2時間以上かかるStory Modeと比べ圧倒的な短時間でクリアできるPuzzle Bobble vs Space Invadersは、これまで短時間のRTAに取り組んできたパズルボブル走者にとって親しみやすかったのだと推測されます。
また、スペースインベーダーとコラボしたことで生まれた新たなゲーム性が評価されたことも一因ではないでしょうか。
これまでパズルボブルRTAを走っていなかった走者がPuzzle Bobble vs Space Invadersに精力的に取り組んでいるのは、これまでのパズルボブルでは取り込めなかった層のプレイヤーを取り込めている証拠だと考えます。
実はRTA向きではないかもしれないPuzzle Bobble vs Space Invaders
ここまでPuzzle Bobble vs Space Invadersの盛り上がりを紹介してきましたが、実はこのカテゴリ、RTAにあまり向いていないという説もあります。
まず1つ目に、ゲーム途中のリセットができないこと。
パズボベーダーはポーズメニューからのやり直しが不可能で、ゲーム開始後にリセットしたければわざとゲームオーバーになるしかないため、リセットの度にちょっと時間がかかります。
そして2つ目に、乱数の偏りが大きいこと。
ゲームスタート時のバブルの配置でも消しやすさが変わるため、記録がある程度詰まってくると1ステージ目の配置厳選が必要になります。前述のリセット機能がないことも相まって、リセットだけで時間が溶けます。
くわえて、パズルボブルあるあるの欲しい色が引けないときのタイムロスが拍車をかけます。パズボベーダーで出てくるバブルは4色なので、全バブルの出方が同様に確からしいと仮定すれば確率は4分の1のはずなのですが、平気で20連続で欲しい色を引けないときもあります。
令和になっても乱数に翻弄され続ける、それがパズルボブル走者の性なのかもしれません。
まとめ
開発者が「ソロプレイでRTAを極めるも良し!」と言ってから早2年。開発者の意図したとおりか、確かに「パズルボブル エブリバブル!」のRTAは盛り上がっています。
実はこの大盛り上がりのPuzzle Bobble vs Space Invaders、RTA in Japan Winter 2023で4人CoopのRTAが披露されます。4人でやると1人よりずっと早いので、お見逃しなく。
ソロプレイじゃないけど、開発者さんにもぜひ見ていただきたいですね。
明日の記事はHiSTさんの「【DK64】古き良きRTAレポートを書いてみる」です。
パズルボブルRTAをやる人。みんなからはタイトーの回し者と呼ばれておるぞ。
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