はじめに
今回は『スーパードンキーコング トリロジー 306%』の世界記録について紹介します。
世界記録:4時間10分15秒
プレイヤー:V0oid氏
記録動画:なし
スーパードンキーコング トリロジーとは
「トリロジー」とは3部作を指す言葉であり、『スーパードンキーコング トリロジー』とは『スーパードンキーコング』『スーパードンキーコング2 ディクシー&ディディー』『スーパードンキーコング3 謎のクレミス島』の3作品のことを言います。
RTAの世界ではこれらの3作品を連続で走ることが競技化されており、『RTA in Japan 3』では『完全クリアトリロジーリレー』の名で披露されました:
そんな『スーパードンキーコング トリロジー』のRTAには、意外に思われるかもしれない2つのルールがあります。
3作品を走る順番は任意
3つの作品を、必ずしも数字順で走る必要はありません。つまり、リセット要素の多い苦手な作品を先に走って、タイムを安定させる自信のある作品を最後に残す、というような戦略を自由に取ることができます。
作品間では計測を一時停止
タイトルを入れ替える時間は、計測区間に含まれません。これは本来、プレイ環境による差を生み出さないために設けられたルールです(このルールがないと、実機を複数用意してファイル選択画面で予め待機したりすることが有利になってしまいます)。一時停止の合計時間は10分までと定められており、実際にはプレイの合間の小休止としても活用されています。
306%RTAについて
306%という数字は、3作品の最大クリア率(101%、102%、103%)を合計した値です。それぞれの作品における最長カテゴリを3つ続けて走ることになるので、306%RTAは競技時間が4時間を越えるという、アクションゲームのRTAとしてはかなりハードな部類に入ります。
また、コングやアニマルフレンドの操作感や挙動が作品間で微妙に異なるため、3作品を綺麗に完走するためには、高いプレイングスキルが要求されます。
スーパードンキーコング 101%
全ての通常ステージとボーナスステージをクリアしたうえで、ラスボスである『キングクルール』の撃破を目指すカテゴリです。『飛鳥文化アタック』や『ボーナススキップ』といった1F技(約1/60秒の入力精度が要求される技)がタイムを大きく左右するカテゴリです。
スーパードンキーコング2 102%
102%というクリア率の達成と全DKコインの回収を目指すカテゴリです。極端に入力猶予のシビアな技こそ少ないものの、精密なアクションを長時間に渡って使いこなし続けなければならない難しいカテゴリです。
スーパードンキーコング3 103%
バナナバードやDKコインといったゲーム内の様々な要素を全て回収したうえで真のエンディングを見ることを目指すカテゴリです。RTAプレイヤーでも完全クリアに2時間近くかかるボリュームが最大の特徴であり、細かい動作の差が積み重なって最終的なタイムに大きく反映されるカテゴリです。
現在の世界記録
本カテゴリにおける世界記録は、本稿執筆時点で、V0oid氏による4時間10分15秒となっていますが、残念ながらこの記録は動画として残っていません。そのため、speedrun.com上で認められる記録としては、筆者による4時間11分51秒が最速です。
今月、トリロジーにおけるもう1つのカテゴリである『All Stages, Any%, Any%』において初の2時間切りという偉業を成し遂げたV0oid氏は、306%の記録更新にも意欲を見せています。同氏の持つそれぞれのゲームの現在の自己ベストを合計したタイムは、4時間01分45秒となっています。初の4時間10分切りが、どんな素晴らしいランによって達成されることになるのか、非常に楽しみです。
『SNES Super Stars Marathon 2020』にて306%のレースが行われます
本記事で紹介した『スーパードンキーコング トリロジー 306%』のレースが、『SNES Super Stars Marathon 2020』にて、以下の通り披露される予定です。
日時:2020年12月13日(日)15:24~19:54(日本時間)
走者1:とんこつ(筆者)
(自己ベスト:45分53秒 / 1時間27分58秒 / 1時間53分54秒)
走者2:Dna423(ドンキー1&2)、Anankoz(ドンキー3)
(自己ベスト:48分03秒 / 1時間29分20秒 / 1時間52分38秒)
306%のような長いカテゴリが披露されるのは、10日間という長期間に渡ってオンラインで開催される同イベントならではと言えます。3作品の魅力がたっぷり詰まった4時間半のレースに是非ご期待ください(本番のアーカイブはこちら)。
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