はじめに
『メタルギアソリッド (MGS)』は1998年にコナミから発売された、 PlayStation用戦略諜報アクションゲームです。
翌年には完全版となる『メタルギアソリッド インテグラル』が発売され、2000年にはMicrosoft Windows用ソフト(PC版)が海外でのみ発売されました。
今回は、PC版のAny% RTAで使用する技を余すことなく解説していきます。
PC版について
今回解説するのは、日本では発売されていないPC版を使ったRTAです。
なぜ、わざわざ入手困難なソフトを入手してまでPC版で走るのか?それは、PC版ならではの仕様が関係しています。
キーボードによるシームレスな武器変更
パソコン上で動作するゲームなので、キーボード・ゲームパッドを使っての操作が可能です。
各種アクションを各キーに自由に割り当てられるので、自分好みの操作感を得ることができます。
特にキーボードで操作ができるという点が素晴らしいです。
数字キーが各武器に対応しており、武器に対応した数字を押すと装備を変更してくれます。
数字キーと武器の対応表
数字キー | 武器 |
1 | SOCOM |
2 | FA-MAS |
3 | GRENADE |
4 | NIKITA |
5 | STINGER |
6 | CLAYMORE |
7 | C4 |
8 | STUN.G |
9 | CHAFF.G |
0 | PSG1 |
武器ウィンドウを開いている間は、ゲームが止まりタイムロスになります。
ごくわずかな時間ですが、ノンストップで切り替えられるのはいいですね。
この仕様のせいでおかげで、PC版でしかできない技が存在しています。
God Mode Exploit (GME)
本ゲーム最凶の技であり、PC版を使用する理由です。
もはやバグ(Glitch)ではなく、脆弱性(Exploit)です。
効果
スネークの判定がなくなります。
どの判定までなくなるのかは、GME発動後の姿勢によって変わります。
発動後にスネークが立っている
スネークが無敵になります。
デメリットとして、武器/装備ウィンドウやアクションボタンなどが使えなくなります。
しかし、一瞬でもカメラを主観モードに切り替えることで、無敵のままこのデメリットを解除することができます。
こちらのGMEを特に、State1やPhase1、単にGME1などと呼ぶことがあります。
発動後にスネークがしゃがんでいる
スネークが無敵になったうえで、いくつかの判定もなくなります。
敵に見つからなくなり、ロードゾーンさえ無視し、カメラさえ置き去りにすることがあります。
ロードゾーンを無視するので、先に進めなくなる。カメラを置き去りにするので、スネークが見えない状態での操作が必要になる。というデメリットがあります。
しかし、ホフク状態になればGMEを解除することができます。
こちらのGMEは、State2やPhase2、GME2などと呼ばれています。
2つのGMEは、PSG1を装備することでも解除することができます。
やり方
数字キーの0を押した直後に9を押すだけです。
PSG1を装備した直後に他の武器に切り替えることで、「ホフク状態になり、PSG1のスコープをのぞき込む動作」をキャンセルし、GMEが発動します。
キャンセルする武器はなんでもいいですが、9のチャフグレネードが0のPSG1から最もキーが近く、所持している場面が最も多い武器なので、9を押すプレイヤーが多いです。
Swap Weapons Infinite Motion (SWIM)
キーボードを使用した武器変更を高速で行うことによって、スネークが動き続ける技です。
動画のように本来なら立ち止まってしまう場面でも動き続けることができます。
GMEのように大きな短縮にはつながりませんが、様々な場所で使える大事な短縮技です。
Sniper Wolf 2 Skip
GMEとSWIMを組み合わせることによって、2回目のスナイパーウルフ戦をスキップすることができます。
この戦いの最中は、一定のラインを越えると必ず敵に狙撃され、先に進めないようになっています。
ならGMEで無敵になればいいじゃん!と思う方もいるでしょう。
しかし、狙撃ラインを越えると、今度はスネークが動けなくなるように設定されています。
この2つを突破するためにGMEとSWIMを使用します。
GMEの無敵で狙撃をかわし、SWIMで動けなくなるのを回避します。
本来ここは、スナイパーウルフとの狙撃戦を制すると先に進めるようになり、進んだ先でイベントを見ることで、ボス撃破となる場面です。
ボスの撃破判定が、イベントを見ることに設定されているので、このイベント開始判定を無理やり踏むことで、ボススキップが可能になっています。
Vent Glitch
ここから紹介する技は、PlayStation版でも使用可能です。
Vent Glitchは、通風口(Vent)の天井を抜けるバグです。
Ventという名前ですが、机やベッドなどのホフクで潜り込める狭い場所であれば、通風口でなくても使用できます。
やり方
通風口にスネークの足を太ももくらいまでいれ、△を長押しし、主観モードにします。そのまま視点を目いっぱい上に移動します。
その後、△と上キーを同時に離し、ほんの一瞬の間をおいて×キーを押します。
×を押して立ちあがるタイミングがとても重要で、早くても遅くても成功しません。
しっかり練習をして、タイミングをつかんでおきましょう。
Boba Skip
今年の8月に偶然見つかり、ネットニュースになるほど話題になった技です。
通信塔の中にあるこの扉は、凍り付いているので、外側から爆破しないと開くことができません。
しかし、エリア移動の判定は扉の裏側に存在しているので、そこに触れさえすれば扉を通ることができます。
やり方
扉に張り付き、左に進めるだけ進みます。
そのまま主観モードで、角度を画像のように合わせます。
その後、チャフかスタングレネードを□長押しで構え、爆発するのを待ちます。
ダメージを喰らった時のモーションでエリア移動の判定に触り、扉の向こうへ移動します。
残念なことに、この技は成功率50%の運ゲーとなっています。
スネークのダメージモーションは2種類あり、抜けるほうのモーションを引かないと壁を抜けることができません。頑張りましょう。
Kick Cancel
〇で出すことができるパンチとキックは、×でキャンセルすることができます。
主に、キックで敵をふっとばした後にキャンセルをし、素早く次の行動に移るという使い方をします。
Quick Throw
武器を持っていないときに□で行える投げは、R1の武器のクイックチェンジでキャンセルすることができます。
通りすがりに敵を投げてキャンセルし、何事もなかったかのように進んできます。
首締め後のモーションも同様にキャンセルができます。こちらは、装備品のクイックチェンジでもキャンセルができます。
2つのキャンセルを使った戦闘サンプル
おわりに
RTAで使用される技は、たったこれだけです。ソフトの入手が一番大変です。
がんばって海外からWindows版のディスクを輸入するか、GOG.comで購入してください。
また、12/29(水)の朝9時ごろから、RTA in JapanのTwitchチャンネルで、本作のRTAが披露されますので、ご覧いただけると幸いです。
スキップ技によるゲームの破壊による短縮と、基礎的な操作技術による短縮のバランスがとてもいい塩梅なRTAです。
当記事に使われている動画・画像は、筆者が撮影しました。
© Konami Digital Entertainment Co., Ltd.
「名古屋RTA Meeting」主催
最近は、プレイヤーより解説や運営に携わることが多いです。
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