この 12 月に入ってすぐ、3日と5日に Livesplit のバージョンアップが行われました。
何が変わったのかを確認してみましょう。
ver1.8.17 (2021/12/03 JST)
Livesplit の Github に書かれているアップデート内容の説明文を引用します。
1.8.17
- The Splits Editor now has an option to specify a layout to load with the splits.
- There is now an option to update LiveSplit’s refresh rate in the Settings.
- Improved the performance of the Browse Speedrun.com dialog.
- Fixed an issue where the splits were not marked as modified when Auto Splitter settings changed.
簡単に意訳するとこのような内容です。
- 区間定義の中でレイアウトを指定できるオプションを追加。
これまでは区間定義ファイル(.lss)とレイアウトファイル(.lsl)とをそれぞれ設定して保存し、読み込むときもそれぞれを読み込む必要がありました。Splits Editor にこのオプションが追加されたことで、区間定義ファイルを読み込むだけでレイアウトファイルも自動的に読み込んでくれるため、ゲームタイトルごと、あるいはカテゴリごとに異なるレイアウトを使用している場合に切り替えが楽になります。
- Livesplit の画面更新回数の設定を追加。
これまで Livesplit の画面更新は 40 Hz(つまりは 40 fps)でしたが、右クリックメニューの Settings の中に画面更新回数の設定が追加されました。あくまで秒間の画面更新回数なのでタイマーの精度とは別の話なのですが、ゲーム画面と Livesplit とを一緒に録画してコマ送りでタイムを精査したい場合などにはタイム計測の精度に影響してきます。そのような場合はゲームの fps と Livesplit の画面更新回数とを合わせておくと良いでしょう。
あるいは、Livesplit を起動すると PC が重くなるような場合は Livesplit の画面更新回数を下げると効果があるかもしれません。
- SRCダイアログのパフォーマンスを改善。
パフォーマンスを改善とは、”Search speedrun.com in the background #2170” に書かれているように SRC の情報取得をバックグラウンドで行うように変更したことを意味していると考えられます。 - Auto Splitter の設定を変更してそのまま Livesplit を終了すると、Splits の保存ダイアログが表示されずに終了してしまう不具合を修正。
“No Prompt to Save Splits After Changing Autosplitter Settings #2176” にて報告されている不具合を修正したものと考えられます。確認のため ver1.8.16 で試してみたところ、Splits Editor から Autosplitter を使用している場合に、Settings の項目を変更して終了しようとすると保存ダイアログが表示されませんでした。
また、このタイミングで Scriptable Auto Splitter のバージョンアップも行われました。Livesplit のユーザではなく、Autosplitter の製作者さん向けの内容です。
Livesplit 起動時に表示されるダイアログからの引用です。
Scriptable Auto Splitter (1.8.17)
- Fixed scripts not reloading when a file is renamed.
- Added start, split, and reset timer event methods.
簡単に意訳するとこのような内容です。
- asl ファイルをリネームした時に再読み込みしない不具合を修正。
“Component.cs: ASLComponent: also reload asl script on file rename #51”Autosplitter 用の asl ファイルを作成している時に、人によっては「Livesplit が asl を読み込んでいる状態で asl を編集して上書き保存する」ことをがあります。
エディタによっては上書き保存した際に Livesplit が asl の再読み込みをしないことがあるようで、それに対応したものと考えられます。
- onStart, onSplit, onReset のイベントメソッドを追加。
“Add start/split/reset timer event methods #53”これまでの Autsosplitter 用 asl では、これらのタイマーイベントのタイミングで何かしらの処理を行いたければ、timer クラスのイベントを購読し、イベントメソッドの中身を作り、終了時には購読を解除する必要がありました。
これらのイベントメソッドが追加されたことで、timer クラスのイベント購読・解除の記述が不要になります。
以上、ver1.8.17 は本体4項目、コンポーネント2項目の更新です。
ver1.8.18 (2021/12/05 JST)
Livesplit の Github に書かれているアップデート内容の説明文を引用します。
1.8.18
- Fixed an issue with livesplit-core not loading for some users.
簡単に意訳するとこのような内容です。
- 一部のユーザーで Livesplit が起動しない不具合を修正。
“Unable to load the native livesplit-core library #2187” にて報告されている、Livesplit の動作に必要な livesplit_core.dll というファイルの読み込みに失敗してしまう不具合を修正したものと考えられます。
以上、ver1.8.18 は本体1項目の更新です。
バージョンアップすべきなの?
機能の追加だけではなく不具合の修正やパフォーマンスの向上なども含まれているため、特に理由がなければバージョンアップして良いかと思います。(とは言っても、あくまで自己責任であることはご了承くださいませ。)
バージョンアップするならば、一部のユーザー環境で起動しない不具合が修正されている ver1.8.18 にするのが良いでしょう。
しかし、ご自身が現在使用しているコンポーネント(プラグイン)が最新バージョンの Livesplit に対応していないのでは? という心配もあるかと思います。
特に公式以外から入手したコンポーネントの場合は、開発が終わっていて更新もされておらず、対応する Livesplit のバージョンが古いままということもあり得ます。
コンポーネントの開発元が Livesplit のバージョンアップに対応していない場合は、そのコンポーネントを継続して使用するかをご自身の責任で判断することになります。
その他、コンポーネントの対応に限らず、何らかの理由でバージョンアップすることに不安があるようでしたら、現在使用しているバージョンのバックアップを取ってからバージョンアップしてみましょう。
(PC の容量に余裕があるならば、バックアップは Livesplit.exe のあるフォルダを丸ごとコピーしてしまえば復元する時に楽です。)
筆者自身、ゲームタイトルごとに別々のレイアウトを使用しているため、区間定義ファイルを読み込むだけでレイアウトファイルも読み込んでくれるようになって、より快適になりました。
今回のバージョンアップで追加された機能を、皆様もぜひ試してみてください。
Good Luck !
Livesplit用のコンポーネントを作ったり、Autosplitterを作ったりしている人です。
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