※この記事は『RTAGamers Advent Calendar 2023』の18日目の記事です。
はじめに
こんにちは! 本日の記事を担当するシレイユと申します。
皆様、『Unpacking』、そして『Unpacking』RTAはご存じでしょうか?
2023/11/30『第63回RTA BootCamp』より
『Unpacking』は2021年に発売された、引っ越しの荷解きをテーマとするパズルゲームです。
現在でこそ様々なイベントでRTAが走られていますが、筆者が走り始めた当時(今年7月頃)は日本人走者がおらず、手探りのまま走っていました。
この記事は、『Unpacking』RTAの入り口になればいいなという思いを込めて、Speedrun.comに存在するカテゴリーのひとつである『Any% Normal Star』をメインにRTAのポイントについて書いていきます。
クリアまでのネタバレが含まれるので、気になる方はまず買ってプレイしてみてください! PC・コンシューマー・スマホなど、多数のプラットフォームで遊ぶことができますよ。
Any% Normal Starのポイント
『Unpacking』RTAでは大きく『Any% Normal Star』『Any% Dark Star』『100%』の3つのカテゴリーが存在します。今回は適切な場所にアイテムを配置して全ステージクリアを目指す『Any% Normal Star』のポイントについて書いていきます。
RTAはPC(Steam)版で行われることが多いです。
このゲームは多数の言語から選んでプレイすることができますが、ラン中で変化する部分がメニュー表記・アルバムのクリアメッセージ程度と少ないです。また、後者についても文字数に応じて速度が変化します(すなわち長文になるほど速くなります)。そのため、タイムに影響するほどの差はありません。
日本語版の記録も承認されているのでお好みで選びましょう!
走者によってチャートが一致することは少なく、配置上の正解はあってもこのRTAにおける正解はないと思っています。この記事で掲載するポイントは筆者なりの走り方に準じてるので、慣れてきたら自分なりに走りやすい方法を見つけてみるといいでしょう。
計測区間と下準備
計測区間は第1ステージ(1997年)の最初の段ボールを開けた瞬間~第8(最終)ステージ(2018年)のクリア条件達成後に右下の星をクリックした瞬間となっています。
つまり、箱を開けない操作(=ズーム操作・戸棚や枕の操作など)はタイマースタート前に行っても問題ないので、必要に応じてやっておきましょう。
アイテムが置ける場所を覚えよう
予想外のところに置けるアイテムが多数存在します。また、第8(最終)ステージ・2018年の子供部屋のようにそういったアイテムが多数存在する場所もあります。以下はその代表例です。
- トロフィー・ペン立て・消しゴム→窓際(第5ステージ・2012年まで)
- ハンガー→ベッド下
- ウクレレ→特定の床など(必ずしもスタンドに立てる必要はなし)
- マグネット→キッチンの引き出し
- ボールのおもちゃ→子供部屋のソファの上
- 杖→テレビ台の上
こういったものを覚えておくとより速く・効率よく片づけられます。やり込むもよし、記録動画から学ぶもよし!
その部屋に置けるものかどうかを見極める
第2ステージである2004年からは複数の部屋で荷解きをすることになり、アイテムを別室に移動させることが増えてきます。
2018年バスルームの『ピサの斜塔の置物』のように一見置けそうでも置けないアイテムがあります。逆に第3ステージ・2007年寝室の『ゴミ箱』のように一見「別室に置くべきでは?」と思われがちなアイテムでもその部屋に置くことができる場合があります。
前項とあわせて、自分なりのルートを探してみましょう。
アイテムを別室に移動させるタイミングを見極めよう
アイテムを取り出してすぐ別室に移動させたい、という人もいるでしょう。
しかし、RTAではそういったアイテムが複数あるときに毎回移動させると、そのたびに部屋移動が挟まりタイムロスになることもあります。そのため、状況に応じてその部屋の荷解きが終わってから部屋移動と同時に移動させる、というのもひとつの手です。
場合によってはズーム・マップ移動も活用する
画面サイズによっては部屋全体が収まりきらなかったり、カーソル移動の距離が増えたりして、アイテム配置に苦労することも。そういうときはズームアウトが便利です。ただし、狙った場所に配置しづらくなることもあるのでうまく使い分けていきましょう。
隣り合っていない部屋にアイテムを移動させるときは、マップを開いて移動させた方が速いときもあります。特に部屋数が多い終盤では便利かもしれません。
キーの配置変更を活用してみよう
SRCのフォーラムにおいて、マクロを使用しない限りキーの配置変更を行うことは問題ないとされています。タイトル画面のオプションから変更できるので、操作しづらいと思った方は変えてみましょう。
筆者は上下矢印キーをズームに、左右矢印キーを部屋移動に割り当てています。
小技を活用しよう
筆者は、本やゲームを片付ける時に隣の棚に置いてしまう……ということが過去によくありました。そこで、1997年のゲームソフト入れ・2007年のラジカセなど、壁代わりになるアイテムを隣の棚に置いていくことで細かいアイテムをしまいやすくするテクニックを使っています。
そういった小技を見つけてみるのも楽しいかもしれません。
重ねられるものは重ねてみよう
服や本、ゲームソフトなどは重ねることができます。2007年など、スケッチや写真を『重ねて机に置けば問題ない』というステージも。
そういったアイテムは重ねて配置することでスペースに余裕を持たせることができます。また、重ねてからまとめて移動することでカーソル移動の回数を節約するテクニックもあります。
箱を開ける順番を工夫して効率よく片付けよう
『Unpacking』では「細かいアイテムをぴったりしまえず、引き出しを余分に開け閉めすることになってしまった!」といったことが時々起こります。
そんなときは箱を開ける順番を工夫してみましょう。「この順番ならしまいやすい!」なんてことがあるかもしれません。
動かせるものを動かした方が効率がいいステージも
第3ステージである2007年からは、動かすことのできる配置済みのアイテムが登場します(第6ステージ・2012年など登場しないステージもあり)。
特に第4ステージ・2010年では配置済みのアイテムが多いうえに横たわってるものまであります。プレイヤーによってはそのままだと効率よく片付けられない……なんてことも。
同ステージのように、最初から配置されているアイテムであってもその大半を動かすことができるステージもあります。そういったアイテムを整えたり、別の場所に移動させてから荷解きをすると、より「効率が上がった!」と感じられるかもしれません。
再配置にはご用心
後半のステージである2013年・2015年は続けて同じ部屋が舞台になるため、アイテムの配置が引き継がれます。また、新しい家具が置かれるため、別の場所に再配置されるアイテムもあります。
2013年では、後のステージのことを考えて配置していきましょう。例えば、衣類収納ケースの上にアイテムを置けるように、丈の長い服を優先的に引き出しにしまう、といったような感じです。
2015年では、アイテムがクリア判定外に再配置されることもあります。適宜移動させてあげましょう。
ちなみに余談ですが、2013年で仕事部屋の机にアイテムを置きすぎると、2015年で配置される液晶モニターがバグを引き起こすことがあります。具体的には『クリア判定と異なる配置になっていながらクリア判定になってしまう』といったもので、筆者はそれが原因で自己ベストを取り下げたことがありました。配置には気を付けましょう。
おわりに
ここまでご覧いただきありがとうございました!
この記事を読んで『Unpacking』RTAに興味を持ってくれた方がいたなら、筆者はとてもうれしいです。
なお、年末のRTA in Japan Winter 2023では12月28日の16:47頃から『Any% Dark Star (Glitched)』のRTAが披露される予定となっています。『配置済みのアイテムを含めた全アイテムを適切“ではない”場所に配置する』カテゴリをバグありで披露するとのことです。お見逃しなく!
※記事内の画像は『Unpacking』本編のスクリーンショットから引用し、リサイズしたり文字入れを行ったりしています。
UnpackingをメインにRTAをしているゆずシャーベットです。
お片付けパズルが好きです!
時々RTAイベントのボランティアをしています。
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