【Speedrun.com】読みやすいRulesにするためにできること

その他

はじめまして、fuso-wasedr09(扶桑)と申します。

今回は、Speedrun.comのモデレーター向けに、Game Rules・Category Rulesで守らなければいけないことや書式設定、書き方について解説していきますので、読みやすいRulesページを作って走者が走りやすい環境を作っていきましょう。
新しいゲームを申請する方法についてはExciekさんの記事を参照することをおすすめします。

なぜ読みやすいルールを書く必要があるのか

読みやすいルールは記録のReject件数を減らし、走者の増加も期待できます
(作品差あり、個人の感想です)

はっきり言ってしまえば、走者はしっかりルールを読んでいません

一番多いのは、Category Rulesだけ読んで記録申請してくるケースです。
これは走者に向けてですが、Game Rulesには記録動画が必要かどうかといった申請に関わる事項や、ゲーム全体の設定(例:FPS制限、デバッグモードの使用制限)などの重要事項が記載されているので、必ず確認してから走りましょう。(空欄のこともありますが…)
ルールを読んでいないことによるRejectを防ぐためにも、ルールは読みやすく丁寧に書く必要があります。

また、走者にとってもモデレーターにとってもルールは読みやすい方がやりやすいです。
ルールが明確だと、走者は走りやすく、ルールを書いた人以外のモデレーターや記録認定員(Verifier)は記録認定をしやすくなります。

いいことしかありませんね。読みやすく丁寧なルールを書くように心がけましょう。

実際に書いてみよう

というわけで、実際のSpeedrun.comの記録ページを操作してルールを書く流れを見ていきましょう。
今回例として「シャーロック・ホームズ 伯爵令嬢誘拐事件」(Any% – Original)を使います。

まずはささっと書いてみたルールを見てみましょう。これを叩き台にします。

Category Rulesが読みにくいですね!(Game Rulesは記載なし)
まず計測開始と計測終了で改行されていないのが気になります。
さらに、この記述だとパスワードで大部分を省略するテクを使うことができると解釈する余地があるので、そうしたルールの穴は潰しておく必要があるでしょう。
加えて、記録動画が必要なのかどうかわかりません。大抵のケースで必要ですが、無くてもいいところもあるので、一応記載しておきたいです。

最後1文だけは改行されていますが、これはCategory Rulesから設定されたものではなく、Variablesに設定されたルールだからです。
Variablesについて話をするとそれだけで記事が一本書けるので説明は別の機会にしますが、それぞれの区分をするものだと思っておいてください。

必要な内容を書き出す

まずはルールに書く内容を紙なりテキストファイルなりに書き出して、Game RulesとCategory Rulesに書くものを分けます。

「シャーロック・ホームズ 伯爵令嬢誘拐事件」のルールで書きたいことを書き出してみると、以下のようになりました。

・パスワードによるコンティニュー禁止
・過去の記録(ニコ生RTAWikiの掲載記録)は動画がなくてもリーダーボードに乗せるが、それ以外は動画証明必須
・計測区間(必須)
・カテゴリの目的

こうして見ていくと、上2つは提出される記録全てで守ってほしいルールで、下の2つはカテゴリによって内容が異なるルールになります。
そうしたら、Game Rulesには上2つ、Category Rulesには下2つの内容を記載すれば良いとわかります。

これで区分け自体はOKですが、どちらかのルールだけ読んで記録を提出する走者がいることを考慮して、「Game Rules(Category Rules)もしっかり読んでね」と誘導を書いておきたいところです。General Site Rulesの記述(例:連射機禁止)も必ず守って欲しい場合はそちらへの誘導も書いておいた方が良いでしょう。(本当は当然守らないといけないのですが、大抵読んでいないので…)
また、禁止事項は今後増える可能性があるので、拡張性をもたせた記述方法を取りたいところです。この記述方法については後述します。

ルールを書く上での注意事項

Moderation Rulesにある通り、計測開始・終了は必ず書かなくてはなりません。
これは大抵理解していると思いますが、逆に書いてはいけない事項として、「正当な理由なく記録動画にタイマーを乗せることを義務付けること」があります。
「正当な理由」の例としてはAutosplitterを利用してロード時間とプレイ時間を分け、記録提出の際にはTime without loadsを提出しなければならないというケースがあります。
単に動画にタイマーついている方が楽という理由でタイマーが映っていることを必須にしてはいけません!

見た目を整える

お急ぎの方へ

Speedrun.comではBBCodeとMarkdownを概ねサポートしています。
Forumにあるチートシート(英語)を見ながら書式を整えてください。

改行しよう

この見出しを見た時点で「Enterで区切ればいい」と思ったらちゃんとここを読んでください。
最初に改行の仕方を確認しましょう。ここは改行が見やすい日本語で記述していますが、基本的にRulesは英語で記述する方が良いでしょう。

まずは改行できていない、Enterだけで区切った例をEdit Categoryの画面で見てみます。

この状態で表示させると以下の画像のようになります。

確かに改行できていないですね。
次に改行できている例を見てみましょう。

これをルールページで見ると、以下の画像のようになります。

ちゃんと改行できていますね。何が違うのでしょうか?

 

答えは文末の半角スペースです。
改行するには文末に半角スペース2個を入れてからEnterで区切る必要があります。

ちなみに、以下の画像のように1行空白を作っても改行できます。
しかし、ルールページで見た時の見た目が異なるので注意してください(下の画像参照)。どう違うかは先程の空白2個で改行した時の画像と比較してみてください。

なお、Markdown記法に慣れた方への注意点として、<br>タグは改行に使えません

箇条書き(リスト)にする

禁止事項やタイマー計測区間を箇条書きにしたいこともあります。
特に禁止事項は増える可能性もあるので、増やしやすいリスト形式の方が望ましいでしょう。
中黒(・)を使って箇条書きにするのも良いのですが、リスト形式の入力方法を紹介します。

書き方としては、箇条書きにしたい文の頭に「*」を入れ、半角スペースを1つ入れます。
ここで半角スペースが抜けていると機能しないので注意してください。

なお、番号を振りたいときは「1. 」「2. 」と文頭に入れると、番号付きのリストになります。
もちろん文章との間に半角スペースが必要なのでお忘れなく。

記述方法としては、下の画像の通りです。

パスワード禁止は中黒で、提出ルールには番号を振っています。
ちなみに、リスト形式を使うと自動的にインデントが増えるので、ルールに更に注釈が必要なときはリストにすると良いでしょう。インデントを元に戻すときは1行空ける形式の改行を行います。

見出し・太字・斜体を使う

ルールの記述には見出しを使うこともできます。
例えば、「Timing Rules」や「Category Rules」といったところで使います。

見出しは文頭に「#」を入れると作成できます。大きさを変えたいときは「#」の数を増やします
ここでは本文との間に半角スペースは不要です。
しかし、通常のMarkdownと見え方が異なるので、普段Markdownを使用されている方は注意してください。
具体的には、通常のMarkdownでは見出しは1から順に大きくなりますが、Speedrun.comの見え方では

見出し4>見出し5>見出し2>見出し6>見出し1>見出し3

の順に大きくなります。
参考として下に画像を乗せておきます。

文章中で太字にしたい時は「**」で囲みます。
ここでは「Game Rulesも読みましょう」を太字にします。

斜体にしたい時は「*」で囲みます。
英単語で強調したいところがあれば使うことがありますが、今回は使いません。

リンクの貼り方

基本的にはURLを直接貼り付ければリンクが有効になります。
画像や動画についても、リンクを入れれば自動で挿入されます。

URLをそのまま乗せたくない場合は、[表示したいテキスト](URL)で記述してあげると表示したいテキストにリンクが乗ります。
(表示したいテキスト中に特殊文字は使えません)

区切りのラインを入れる

見出しを入れて区切る他、線を入れて区切ることもできます。
入れ方は「___」(アンダースコア3回)または「—」(ハイフン3回)です。
どちらでも同じラインが引かれるので、好みで使ってください。私はアンダースコア派です。

追記をおすすめしたい事柄

ルールを書いてしまえばそれでOKなのですが、個人的にはどのゲームでもルール以外に記述しておきたいことがあるので紹介します。読み飛ばして頂いても結構です。

「Rulesを読むこと推奨」

何回も書いていますが、走者はCategory Rulesしか読んでいないことが多々あります。
ということで、Category Rulesに「Game Rules(General Rules)も読もう」と書き加えるのは手です。

Suggestionの受付場所

カテゴリ追加などの提案がある際にどこに書けばよいかわかりやすくするための記述です。
どこかに書いておけば良いですが、サブカテゴリがある場合は、サブカテゴリのルールが末尾に付け加わる関係上、Category Rulesの一番最後に置くことをおすすめしません。

例として、Speedrun.comのForumに提案を書いて欲しいなら
>For suggestions or requesting new categories you can post in the forum section.
といった感じの文を書いておけば良いです。
加えて、Forumに書く場所のスレッドを立てておくことをおすすめします。

Rulesの変更履歴

変更履歴を残しておくと、万が一なにかあった際にSuper Modが対応しやすくなります。また、ルールの疑問点が出た時になぜその変更がされたか本人に確認できます。

問題の対処として、Super ModはAudit logからあらゆる設定変更の履歴を確認して調査できますが、はっきり言ってログの検索性が良くないので、誰が触ったかを残しておいてくれると調べやすくて助かります。

サブカテゴリのルール

サブカテゴリのルールとメインカテゴリのルールは、通常だと改行で区切って表示されます。
サブカテゴリのルールはここだよ、と明示したい時は、Category Rulesの一番最後に「#Sub-Category Rules」の見出しをつける方法があります。

チェックする

記述が終わったら、まずはEdit画面を確認します。
まずはGame Rulesから。
真っ白だったところからかなりテキストが増えました。

次にCategory Rulesを見てみましょう。

これは大きく変更されているわけではないです。

Edit画面で問題がなければ、実際のルール画面で確認してみましょう!

かなり読みやすく、わかりやすいルールになったんじゃないでしょうか。
もう一度最初のルールを乗せておきます。見比べてみてください。

おわりに

今回はSpeedrun.comのGame Rules・Category Rulesの書式や書いた方が良いことについて書かせて頂きました。色々書き方の好みはあると思いますが、読みやすいルールづくりは非常に大切です。皆様も良いルール策定を頑張ってください。

当記事が他のモデレーターの方の助けになると嬉しいです。
それではまたどこかでお会いしましょう。

参考文献

Speedrun.com Knowledge Base

Speedrun.com – Formatting Guidelines/Cheat Sheet – Forums – The Site – speedrun.com

※本文中の画像はすべて筆者が撮影しました。

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