LiveSplit ver1.8.30-33 のバージョンアップ

RTAツール

概要

短期間に 4 回の更新が行われ、ミリ秒単位でのタイム編集・表示への対応や、WebSocket サーバー機能の内蔵化、タイマー本体の画面表示に関する不具合の修正などがありました。

Autosplitter が扱う値をカスタム変数として LiveSplit 本体で保持できる機能が追加され、カスタム変数の値を Text コンポーネントで表示したり内蔵サーバーのコマンドで取得できるようになりました。

更新時のトラブルに注意

1.8.30 の更新で DPI Awareness が有効になったことと関連して、それまで使っていた lsl ファイルで LiveSplit の表示が突然変化したという報告が上がっています。

その後、1.8.33 にて DPI Awareness に関する変更は差し戻されました

ver1.8.30 (2025/01/27 JST)

ver1.8.30 本体のアップデート

.NET Framework version 4.8.1 に移行

  • LiveSplit now uses .NET Framework version 4.8.1.
  • LiveSplit は .NET Framework のバージョン 4.8.1 を使用するようになりました。

説明

LiveSplit は .NET Framework 4.6.1 を使用して作られていたのが、4.8.1 に移行しました。

開発者にとっては .NET Framework 4.8.1 までの機能が使えるようになるだけでなく、C# 7.3 までの機能も使えるようになります。
使えるようになる機能については .NET Framework 各バージョンごとの新機能の紹介記事を参照。

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ミリ秒単位での編集に対応

  • The Splits Editor now allows editing milliseconds.
  • Splits Editor でミリ秒(0.001)単位での編集ができるようになりました。

説明

LiveSplit は内部的には 100 ナノ秒の分解能(TimeSpan.Ticks)でタイムを扱っていますが、ユーザーが通常の使用範囲で編集できるタイムは 10 ミリ秒(0.01)が最小単位でした。

これがミリ秒(0.001)単位で編集できるようになりました。

また、更新内容には明記されていませんが、Share から Excel 出力した場合のタイムもミリ秒単位で出力されるようになっています。

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DPI Awareness が有効に(1.8.33 にて差し戻し)

  • DPI awareness is now enabled. This allows LiveSplit to scale text elements correctly for users who set their display scale to anything but 100%.
  • DPI Awareness が有効になりました。これにより、ディスプレイスケールを 100 % 以外に設定したユーザーに対して、LiveSplit はテキスト要素を正しくスケーリングできるようになりました。

説明

ディスプレイの表示サイズを 100 % 以外に設定した場合に、テキスト要素とそれ以外の要素とでスケーリングが異なる現象がありましたが、正しくスケーリングできるようになりました。

この変更によって、それまで使っていた lsl ファイルで LiveSplit の表示が突然変化したという報告が上がっており、設定値に対して正しくない表示だったのが設定値の通りの表示になったことで発生している変化だと思われます。
その後、1.8.33 にて DPI Awareness に関する変更が差し戻されました。

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WebSocket サーバーを内蔵

  • In the Control menu, there is now an option to start a websocket server.
  • WebSocket サーバーを起動するオプションをコントロールメニューに追加しました。

説明

WebSocket サーバーが LiveSplit 本体に内蔵されました。

本体右クリック → Control → Start WebSocket Server
で WebSocket サーバーが起動します。

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ウィンドウが再描画されない不具合を軽減

  • Mitigated an issue where part of the window turned black and did not redraw until the window was resized.
  • ウィンドウの一部が黒くなり、ウィンドウのサイズが変更されるまで再描画されない問題を軽減しました。

説明

LiveSplit の一部を画面の表示範囲外に移動してから表示範囲内に戻すと、ウィンドウ全体が黒くなり、ウィンドウサイズを変更するかレイアウトを再読み込みしないと再描画されない不具合が報告されていました。

これは、CPU 使用量を削減するために変更のあった部分のみを再描画する仕様が影響しているらしいです。
今回の変更で 1 秒ごとに全体を再描画する処理が追加されました。

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タイム表示に関係する各コンポーネント

ミリ秒を表示する設定を追加

  • Added a setting to display milliseconds.
  • ミリ秒(0.001)を表示する設定を追加しました。

説明

タイム表示に関係する各コンポーネント、Comparison Time, Previous Segment, Possible Time Save, Run Prediction, Splits, Subsplits, Sum of Best, Timer, World Record において、ミリ秒を表示する設定が追加されました。

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Delta

ラベルに任意の名前を設定可能に

  • The comparison name text can now be overridden in the settings, and can be different when ahead vs. behind the comparison.
  • Delta コンポーネントのラベルに任意の名前を設定できるようになり、比較対象タイムに対して早いか遅いかで異なる名前に設定することもできます。

説明

Delta コンポーネントをタイマーレイアウトに追加すると、これまでは比較対象タイムの名前が自動的にラベルとして表示されていました。

この変更でラベルに任意の名前を設定できるようになり、さらに、比較対象タイムに対して早いか遅いかで異なる名前を設定する事もできます。

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World Record

SRC のタイムとタイマー内のタイムとの比較に関する不具合を修正

  • Fixed a bug where the current personal best was not considered a world record if a game allows milliseconds but a particular category only allows seconds.
  • Speedrun.com のゲームのルールがミリ秒を許可しているにもかかわらず、特定のカテゴリーが秒しか許可していない場合、現在の自己ベストが世界記録とみなされない不具合を修正しました。

説明

Speedrun.com のリーダーボードではゲームごとにタイムの最小単位の設定があり、ゲームではミリ秒単位の設定になっていてもカテゴリーによっては秒単位で記録を管理している場合もあるらしいです。
そのような場合に、例えば秒単位で記録を管理しているカテゴリーにおいて、リーダーボードには 46:26 と登録されているけど実際の記録が 46:26.900 だとしたら、World Record コンポーネントはリーダーボードのタイム 46:26.000 のほうが実際のタイム 46:26.900 より早い記録であると判断してしまいます。

この変更で、リーダーボードから取得するタイムと実際のタイムとの比較を秒単位かミリ秒単位かで指定できるようになりました。

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Auto Splitting Runtime

カスタム変数に関する機能追加

  • Autosplitters may now set custom variables. These custom variables may be displayed by a component or saved to the splits file.
  • Autosplitter がカスタム変数を設定できるようになりました。これらのカスタム変数は、コンポーネントによって表示されたり、lss ファイルに保存されたりします。

説明

Autosplitter が扱う値をカスタム変数として LiveSplit 本体で保持できるようになりました。
本体内のカスタム変数を通して Autosplitter とコンポーネントとで値のやり取りが可能になりました。
カスタム変数は lss ファイルに保存することもできます。

更新内容の一覧ではこの機能は Auto Splitting Runtime(LiveSplit One 用の Autosplitter を LiveSplit でも使用できるようにする機能)に対しての更新内容として記載されていますが、この機能と関連した更新が LiveSplit 本体にもなされています。
本体の追加機能でもあるため、LiveSplit One 用の Autosplitter でも元々の Autosplitter でも利用することができます。

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ver1.8.31 (2025/01/28 JST)

ver1.8.31 本体のアップデート

内蔵サーバーのコマンドを追加

  • Added a getcustomvariablevalue command to the server.
  • 内蔵サーバーに getcustomvariablevalue コマンドを追加しました。

説明

カスタム変数機能が ver1.8.30 で追加され、そのカスタム変数の値を内蔵サーバ―のコマンドで取得できるようになりました。

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Detailed Timer

比較対象タイムの桁数が lsl ファイルから読み込まれない不具合を修正

  • Fixed a bug with the segment times accuracy not loading from the layout.
  • 比較対象タイムの桁数の設定が lsl ファイルから読み込まれない不具合を修正しました。

説明

比較対象タイムの桁数の設定を変更した状態で lsl ファイルに保存して、その lsl ファイルを読み込んだり LiveSplit を起動した際に、デフォルトの桁数設定になってしまう不具合がありました。

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Text

カスタム変数の値を表示する設定を追加

  • Added a setting to display the value of a custom variable from an Auto Splitting Runtime autosplitter.
  • カスタム変数の値を表示する設定を追加しました。

説明

カスタム変数機能が ver1.8.30 で追加され、そのカスタム変数の値を Text コンポーネントで表示できるようになりました。

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ver1.8.32 (2025/01/30 JST)

ver1.8.32 本体のアップデート

フォントダイアログの不具合を修正

  • Fixed a bug with the font dialog using the custom font for all labels in the form.
  • 選択したフォント設定をフォーム内のすべてのラベルに使用するフォントダイアログの不具合を修正しました。

説明

フォントダイアログ内にある Font や Size などのすべてのラベルが、選択したフォントの設定で表示される不具合がありました。

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Delta

プラスを表示しない不具合を修正

  • Fixed a bug with a positive delta not showing a plus next to the delta time.
  • プラスのデルタでタイム差にプラスを表示しない不具合を修正しました。

説明

1.8.30 での更新時に、タイム差にプラス記号を付ける処理が抜け落ちていました。

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ver1.8.33 (2025/01/30 JST)

ver1.8.33 本体のアップデート

DPI Awareness を有効にする変更を差し戻し

  • Reverted change to enable DPI awareness for now because it was causing issues for some users.
  • 一部のユーザーで問題が発生していたため、DPI Awareness を有効にする変更を差し戻しました。

説明

1.8.30 で DPI Awareness を有効にする変更がなされましたが、これによって一部のユーザーにおいてタイマーレイアウトの表示が崩れるなどの問題が発生しており、この変更が差し戻しとなりました。

DPI Awareness に関しては元々要望のあった機能であり、ユーザーへの影響が少なくなるように他の実現方法を模索している様子もうかがえるため、将来的には改めて DPI Awareness に関する変更がなされるのではないかと思います。

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