【AGDQ2020向け】マリオ64オタクにのみ許された『マリオ64ランダマイザー 70枚RTA』とは?

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まえがき

1月6日(月) 午前1時30分(日本時間)から、海外のオフラインRTAイベント『Awesome Games Done Quick 2020(AGDQ2020)』が始まる。

本イベントのスケジュールを見てみると、1月11日(土) お昼12時25分(日本時間)から『スーパーマリオ64ランダマイザー 70枚RTAレース』が行なわれる予定のようだ。

このRTAは、運や基礎操作力が求められる場面が多いが、実はこのふたつと並んで『マリオ64へのオタク度』も求められる――マリオ64オタクにのみ許された競技なのである。

本記事では、マリオ64のランダマイザーの簡単な仕様を紹介した上で、「なぜオタク向けなのか?」を語っていく。

マリオ64のランダマイザーとは?

マリオ64におけるランダマイザーは、一言で述べるなら『ステージ・オブジェクト等の要素がランダムのマリオ64』である。

代表的なランダム要素は以下の3つ。

(1) ステージの入口と実際のステージの関係がランダム

普通のマリオ64の場合、一番最初に行けるのはボム兵の戦場で、【ボム兵の戦場の絵】に入ると【ボム兵の戦場ステージ】に繋がる。

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しかし、ランダマイザーでは、【ボム兵の戦場の絵】に入ると【みずびたシティーステージ】に繋がる、みたいなことが起こるのだ。(注意: 普通にボム兵の戦場ステージに繋がる場合もある)

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こんな感じで、ステージの入口と実際のステージの関係がランダムになっている。

ただ、この関係性はその走り中は常に一緒なので、例えば、ボム兵の戦場の絵がみずびたシティーステージと分かったら、ゲームオーバーしたりしない限りはこの関係が崩れることはない。

なので、RTAでは、ランダマイザー専用のWebツールを用いて、どこの絵がどのステージに繋がっているのかをメモしながらプレイするのが基本戦術となっている。

(2) ステージに入った時のマリオの出現位置がランダム

例えば、バッタンキングのとりでステージにたどり着いたとしよう。

通常ならば、ステージに入った後、木の目の前にマリオが出現するのだが、

NormalWF

ランダマイザーでは、ステージに入った後、とりでの近くにマリオが出現したりする。

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こんな感じで、ステージに入る度にマリオの出現位置がランダムになる仕様となっている。

(3) スターなどのオブジェクトの配置がランダム

ランダマイザーでは、大半のオブジェクト(スターや敵、コインなど)がランダムに配置される仕様となっている。

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バッタンキングが変な位置にいたり(1枚目)、お屋敷内にコインが密集(2枚目)していたりする

しかし一方で、普段と同じ位置にあるオブジェクト(例. ウォーターランドの潜水艦や青コインスイッチ)も存在するので、普通のマリオ64RTAの知識が必要になるシーンも時々ある。

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オブジェクトの配置は、その走り中は常に一緒なので、一度分かったスターの配置はゲームオーバーしたりしない限り変わることはない。ゆえに、ランダマイザーのRTAでは、スターの位置を頭に叩き込みながら進んでいくのが一般的だ。

ちなみに、「ステージに入ったら目の前にスターがあった」なんてことは日常茶飯事で、ここがランダマイザーの面白いところのひとつだろう。

マリオ64 ランダマイザー チックタックロック

以上が代表的なランダム要素3つとなっていて、このようなランダムの要素を持つマリオ64にて70枚のスターを集め最終クッパを倒すまでを競うのが、今回の『マリオ64ランダマイザー 70枚RTA』となる。

ただ、実はこの他にも『スター枚数扉の枚数がランダム』といったランダム要素や仕様違いがいくつかあり、この3つが全てではないので留意してほしい。

どうしてオタク向けなのか?

さて、楽しみにしていたであろう『なぜオタク向けのRTAなのか』をここから語る。

私の考える理由は大きく分けて3つある。

理由1: 『各ステージで回収するスター枚数』を咄嗟に言えるレベルじゃないと速いタイムが出せないから

とりあえず、3階にあるステージ『レインボークルーズ』を頭に思い浮かべてみてほしい。

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「レインボークルーズ内に、ビックリブロック(以下[!]箱)に入ってるスターと、最初から出現しているスターは何枚ずつある?」と質問された場合、5秒以内に答えることができるだろうか。

正解は――[!]箱内スターが1枚、出現済スターが4枚。

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マリオ64RTAプレイヤーでも、5秒以内には答えられなかったはずだ。どうして咄嗟に答えられなかったのか……、説明しよう。

普通のマリオ64の70枚RTAでは、例えば、「バッタンキングのとりで ひとっとびスターはすぐ取れるから回収する」といった具合に、すぐ取れるスターを70枚選択してチャートを組んでいく。

そして、組んだチャートを頭に叩き込んで練習するだけなので、『各ステージにどんな種類(出現済・[!]箱内・条件達成系)のスターが何枚ずつあるのか』は覚える必要がない。

しかし、ランダマイザー70枚RTAではこの点もしっかり覚えておかないと、以下のようなタイムロスが発生してしまうのだ。

  • ランダマイザーのRTAでは、チャートをリアルタイムで組みつつプレイすることになるので、各ステージで回収するスター枚数を把握していないと、無駄に多くステージに入ってしまうことがある
  • 種類ごとのスター枚数(特に[!]箱内スターの枚数)を把握していないと、無駄に多く[!]箱を壊すなど、余計な行動に走ってしまうことがある

普通にプレイしていればこの知識は身に付きそうだと感じたかもしれないが、実際のところは、RTAプレイヤーですらランダマイザー初プレイ時に指で数えてしまうぐらい、ニッチな知識となっている。

補足しておくと、ランダマイザー専用のWebツールを使えば、こういった情報をリアルタイムで管理できるが、ツールに気を取られてミスしやすくなるので、頼りきりになるのは望ましくないと私は考えている。

理由2: 普段のRTAでは使われない動きを知っているほうが有利だから

ランダマイザーでは、マリオの初期位置やスターの位置が普通と異なるため、いつもは使わないようなルートやアプローチ、小技などを知っていると有利になる場面が多い。

とは言ってもイメージが湧かないと思うので、ひとつ例を示そう。

例. 闇にとける洞窟にて、上下エレベータの下からドッシーの地底湖へ行く方法

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1つ目の画像の場所からドッシーの地底湖(2つ目の画像)へ向かう時は、「一度上の足場に登って壁を抜けよう」と考えるプレイヤーが大半だ。メタルでダッシュスターのRTAルートでその方法が使われているからである。

しかし、わざわざ上の足場に登らずとも、上昇中のエレベータへジャンプして壁抜けする小技が存在し、これを使えば、上の足場まで登らない分タイム短縮となる。

マリオ64 ランダマイザー 闇にとける洞窟

この小技は、『タスク』と呼ばれるちょっと特殊な競技で日の目を浴びたことがあるので、日本のRTAプレイヤーならば大半のプレイヤーが知っていることだろう。

参考動画(26分34秒から): SM64 Non-TAS Competition 2013 Task 2 Compilation – YouTube

ランダマイザーRTAでは、今話したような小技だったり、『マリオ64 ランダマイザー レインボークルーズ – YouTube』のようなルートを知っているほうが速いタイムを出すことができる。

しかし、こういった知識は、誰かが懇切丁寧に紹介しているわけではないので、数多くのマリオ64動画・配信を見た人間しか知らない――つまりは、オタクのみぞ知る知識なのである。

理由3: ステージの位置感覚が身に付いているほうが有利だから

ランダマイザーでは、普段のマリオ64では使わない移動方法を求められる場面が多いため、ステージの位置感覚が身に付いているプレイヤーのほうが速いタイムを出すことができる。

一番分かりやすいのは、チックタックロックだと思う。

このステージは、普通のマリオ64では下から上に登るように攻略するのだが、ランダマイザーでは、上から下に降りるように攻略しなければならないことが多々ある。

『上から下に』なんて移動は普段やらないので、普通のプレイヤーならば、降りたい足場が頭に浮かんでいても、現地点からどちらに降りればたどり着けるのか見当が付かないはずだ。

ランダマイザーのRTAでは、こういった位置感覚が身に付いているほどスムーズに移動できるのでタイム短縮につながるのだが、マリオ64を遊び尽くさないと位置感覚は身に付かないため、オタク向け競技と言えるのだ。

むすび

先のセクションをしっかり読んだあなたは、『マリオ64ランダマイザー 70枚RTA』がオタクにしかできないぐらい奥の深い競技であることが理解できたはずだ。

今回AGDQ2020で走るのは、以下3名の人気プレイヤー達。

  • 360Chrism氏
  • Simply氏
  • Puncayshun氏

彼らは数年間マリオ64をプレイしている強者なので、そこそこオタクなレベルで知識を持っている。

しかし、どんなプレイヤーでも、ディープなオタクにしか知られていない知識は知っていたり知らなかったりするので、『どれだけマリオ64の知識があるか』もこのレースの見どころとなるだろう。

ちなみに今回は、Twitchのjapanese_resteamチャンネルにて、AGDQ2020の日本語ミラー配信が行なわれる。

RTAによっては日本語の解説付きで見ることができるので、昨年末に行なわれた『RTA in Japan 2019』(オフラインRTAイベント)だけでは物足りなかった方はぜひ視聴してみてほしい。

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