はじめに
毎週定例記事として公開していく『世界記録紹介』のコーナーです。
本日は『スーパードンキーコング3 103%』の世界記録について紹介します。
世界記録:1時間51分31秒
プレイヤー:V0oid氏
記録動画:https://www.twitch.tv/videos/517301996
スーパードンキーコング3とは
『スーパードンキーコング3』は1996年にレア社が開発し、任天堂が発売したスーパーファミコン用の横スクロールアクションゲームで、シリーズ3作目にして最高のグラフィックを誇る作品です。
ポニーテールスピンで空を飛ぶことのできる『ディクシーコング』と、パワフルなアクションが魅力の『ディンキーコング』のコンビで『クレミス島』を冒険する本作では、新たにワールドマップを自由に移動することが可能になっています。
そのため本作では、前の2作品と比べて攻略順の自由度が高いのが特徴です。例えば、ワールド3『コットントップのいりえ』とワールド4『メカノス工場のしま』は、進行上どちらを先にクリアしても問題ありませんが、RTAではワールド4から先に攻略するのが主流です。
本作のRTAには、4つのカテゴリがあります。表のラスボスである『バロンクルール』の最速撃破を目指す『Any%』、本記事で紹介する『103%』、ワープバレルを使わずにany%クリアを目指す『Warpless』、裏のラスボスを最速で倒す『Beat Krematoa』の4つです。
103%RTAについて
103%という数字は、本作における最大クリア率にあたります。103%RTAでは、各ステージのボーナスコインやDKコインを全て回収した上で、15羽のバナナバードを回収して真のエンディングを見ることが目的となります。
このように収集要素の多い本カテゴリの競技時間は、本シリーズの中では最長の2時間近くに及びます。乱数要素によるタイムへの影響が大きいことも特徴で、ワールド6のボス『バーボス』や、ボーナスステージ内の『緑バナナ』で現れる様々なパターンへの対応は、プレイヤー間で戦略の異なる、1つの見所でもあります。
また、バージョン限定の技やエンディングの長さ等の関係で、北米版が最も有利なカテゴリとなっています。以下では、103%RTAで使われる海外版限定の技を2つ紹介します。
ボスカオスに攻撃をさせない『1サイクル』
ワールド4のボス『メカノスのきょうい ボス カオス』では、海外版限定で、6回連続で踏んで攻撃の隙を与えずに倒す『1サイクル』と呼ばれる倒し方が可能です。
チームアップを組む位置がズレると連続で踏むことができなくなるため、見た目ほど簡単な技ではありません。ちなみに、日本版ではカオスに弾かれたあとのチームアップを組むことができないので、『1サイクル』よりは遅いですが別の攻略法が確立されています。
鉄タルを使った高速スクロール『タルZIP』
続いては8-2『タル100れんぱつ』で用いられるバグ技、通称『タルZIP』を紹介します。
チームアップ中のディクシーに鉄タルが下から当たると、本来動けないはずのディンキーの硬直が解除されます。そこで上手く位置を微調整すると、カメラが意図しない挙動を起こし、スクロール先の地点まで高速移動することができます。
タルZIPは、2018年10月にClaude氏によって発見された比較的最近の技であり、同ステージ内で多用することで10秒以上のタイム短縮が可能です:
[DKC3] 8-2 Criss Kross Cliffs (U) Team Throw Interruption Zips
現在の世界記録
本カテゴリにおける世界記録は、本稿執筆時点で、V0oid氏による1時間51分31秒となっています。
2019年始時点での世界記録は、SuiMinD氏による1時間52分40秒でした。1年間で1分以上もの更新が達成されたのは、新しい技や細かい最適化によるルートの進化とともに、3人のトップ走者による世界記録争いが行われたことが背景にあります。
V0oid氏の現在の区間ベスト合計は1時間49分42秒となっています。2020年は、103%の世界記録が次の大台を破る瞬間を目撃することができる年になるかもしれません。
『AGDQ 2020』にて103%が披露されます
本記事で紹介した『スーパードンキーコング3 103%』のRTAは、『AGDQ 2020』にて、以下の通り披露される予定です(日本語での再配信はこちら)。
日時:2020年1月7日 1:12~3:12(日本時間)
走者:V0oid
解説:Claude
スーパードンキーコングシリーズでは、過去の同イベントに『ドンキー1 All Stages』、『ドンキー1 101%』、『ドンキー2 Any%』、『ドンキー2 102%』、『ドンキー3 Any%』と、数々の主要カテゴリが採用されてきましたが、『ドンキー3 103%』が採用されたのは今回が初めてです。
日本語での再配信では、筆者が解説を行う予定です。深夜帯ではありますが、V0oid氏によるスーパープレイを是非ご視聴下さい(2020年1月11日追記:本番のアーカイブはこちら)。
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