【スーパードンキーコング2】Any%RTA2年ぶりの大発見!氷の壁を抜ける『Arctic Zip』

2Dアクションゲーム

1995年に発売された名作アクションゲーム『スーパードンキーコング2』。10年以上の歴史を持つ本作のAny%RTAは、同シリーズの中で最も洗練されたカテゴリの1つとなっており、2018年5月以降、約2年間にわたって1秒以上の短縮ポイントが全く見つかっていませんでした。

長らく停滞していた本カテゴリに久々の激震を与えたのは、氷の壁を抜ける『Arctic Zip』という技の発見でした。本記事では、この技の原理や発見された経緯、RTAに与える影響について紹介します。

氷の壁を抜ける『Arctic Zip』とは?

Arctic Zip』とは、6-1『こごえる地下すいろ(英名:Arctic Abyss)』において、氷の壁を抜けてステージの大部分をショートカットするという技です。このステージは本来、カジキの『エンガード』に変身して進むことが想定されています。ところが、実はこのステージ、スタート地点のすぐ真上にゴールターゲットが配置されているという構造になっているのです。

(画像は Arctic Abyss Map – DKC Atlas より)

となれば、タイムを縮めるために考えられるのが「氷の壁さえ抜けられれば、エンガードを使った正規クリアよりも速いのでは?」という疑問です。長年多くの走者たちの頭を悩ませてきたこの問題は、2020年4月、ついに解決の時を迎えました。実際どのようにしてコング達は分厚い氷の壁を抜けることに成功したのか、まずは以下の動画をご覧ください。

この動画では、ピラニアの『ロックジョー』をエンガードバレルの左まで誘導し、コングの入れ替えモーション中にダメージを受けています。すると、カメラが突然急上昇し、画面上端でディディーがゴールターゲットを踏むことでステージクリアとなっています。

(ちなみに、エンガードバレルの下をディクシーでくぐることができるのは後期版のみです。かわりに初期版では、ディディーでエンガードバレルの上側を通過することができます。)

『Arctic Zip』発見に至るまで

『Arctic Zip』の原型が生まれたのは、2020年3月、複数の海外走者の解析をもとに新たなルートを模索していたgill氏の配信内での出来事でした。

gill氏のセットアップは、現行ルートと異なる方法で壁の中に入りこむもので、残念ながらエンガードに変身して普通にステージをクリアするより遅くなってしまうものでした。しかし、6-1の全く新しい最適ルートの存在を多くの走者に予感させるような、重要な発見であったと言えます。

その翌月、本作の解析に5年以上携わっている日本のhid氏によって、現在のセットアップが公開されました。この方法を使うと、次のステージでは従来より遅くなるものの、合計で約15秒の大幅短縮となります。

【TAS/RTA更新案】きりたんが壁の中にサルを入れる話【スーパードンキーコング2】

詳しい原理は上の動画内で解説されていますが、『Arctic Zip』において鍵になるのは、「壁を挟んでの交代中にダメージを受ける」ことです。壁の中に侵入することができれば、自動的に上に飛ばされる仕様となっているため、ゴール地点まで一気に到達できるというわけです。

hid氏によると、同じ原理を使った水中での壁抜けは、元々2年前に3-2『くらやみダイビング』にて偶然見つかったものだそうです。3-2ではカメラの制限で画面上部に閉じ込められてしまい、ショートカットには使えなかったことから、この技が日の目を見るまで長い月日がかかることとなったのです。

『Arctic Zip』はRTAにどう影響するか?

『Arctic Zip』の発見は、本作のRTAを大きく活性化させました。以下の画像は『speedrun.com』における本作のAny%のリーダーボードです。上位記録の多くが、ごく最近達成されたものであることが分かります。特に、本カテゴリの世界記録には、V0oid氏が2018年12月に樹立した38分28秒という記録が長く君臨していましたが、この記録は執筆時点で10秒更新されています。他には、真のエンディングを目指す「True Ending」の世界記録も、lz氏によって3秒更新され、36分43秒となっています。

とはいえ、『Arctic Zip』自体が長いセットアップを要する高難易度技であり、ランの終盤にこの技を決めて記録を出すことは容易ではありません。また、「ロックジョーを何回誘導した後にスワップするか」もタイムを左右するポイントです。多くの走者は10回誘導するセットアップを使用していますが、最初に紹介した動画のようにロックジョーの誘導を9回で済ませるのは、誘導ミスの危険を伴う至難の業であり、限られたトップ走者だけが採用しているハイリスクなルートです。

『Gunma RTA Online』にて披露されます

本記事で紹介した『Arctic Zip』を用いた本作のAny%のRTAは、『Gunma RTA Online』にて、以下の通り披露される予定です(本番のアーカイブはこちら)。

日時:2020年7月26日(日)0:16~1:01

走者:とんこつ(筆者)

解説:ヌノハン

配信場所:twitch.tv/keynnaka

上記イベントだけでなく、Any%上位の走者による記録狙いも日々活発に行われています。まだまだ進化を続けるスーパードンキーコング2のRTAに、今後ともご注目ください。

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