RTAイベントの今
昨今のRTAイベントで一番に思いつくのはRTA in Japanであろう。
その知名度はRTA界隈にとどまらず、ゲーム好きの人から、居酒屋の隣に座っている一般の方まで、いろんなところから話が聞こえてくるほどである。
だが知名度が広まる一方で、RTAイベントの在り方について定期的にご意見がうかがわれる。
空気感的にはマラソンイベントが多いところが繋がってるとは思うけども
ドラクエ界隈的にはガチ勢が集まって一位を決める底辺駅伝が答えに近そう
問題は人がそもそも少ないところに焦点を当てる方法なんかな— 御茶麒麟 (@GiraffeTea) September 1, 2021
(参考:ツイッター界隈で議論が巻き起こった際の筆者のツイート)
詳細は割愛するが、昨今のRTAイベントの主流がいわゆるマラソンイベント(プレイヤーが視聴者に対してひとつのRTAを披露する形)である以上、ニーズがマッチせず出場したい(できる)イベントがない層というのは確かに存在するのであろう。(ちなみに筆者はちゃんとマラソンイベントが好きなので誤解なきよう)
そこで今回は、10数年間ひたすら同じゲームをこすり続けているにも関わらずいまだに大会が開催され続け、時には100人近いプレイヤーが集まるドラゴンクエストRTA業界の事例を紹介したい。ドラクエRTAのイベントを知らなかった方はぜひこれを機に知っていただき、今後イベント開催を考えている方にはマラソンイベント以外にも「こんなRTA大会も面白そうだ!」というアイデアの一助になれば幸いである。
多様なニーズに応え、いつまでもRTAイベントがプレイヤーの集まる場として提供され続けるために”持続可能なゲーム大会開発(SGDs)“を考えるきっかけになれば幸いである。(これが言いたかっただけ)
【ロト】ドラゴンクエストRTA駅伝対決【天空】
大会の間口:初心者~既存プレイヤーすべて
いわゆる本家駅伝と呼ばれる、ドラクエRTA大会の元祖である。その歴史は深く、最初の大会は2009年までさかのぼり2021年12月現在までに16回開催されている。(詳細は公式Wikiを参照)
出場者は毎回抽選で決まり、6人が1チームとなって争うことになる。当選のチャンスがみな平等にあり、ドラクエでもっとも大きなRTA大会であることから倍率は非常に高い。
やはり駅伝対決の魅力というのは「チーム」で「1位を狙いにいく」というところではないだろうか。ときには初心者が下馬評を覆して大健闘、ときには最終作品まで勝負がもつれ込み、逆転の目があればチームに許可を取って攻めにいく。毎回違ったドラマがあるのが、マラソンイベントとの大きな違いでもあり、何度同じ作品のRTAで大会をしてもプレイヤーも視聴者も集まる理由ではないだろうか。
画像:第16回【ロト】ドラゴンクエストRTA駅伝対決【天空】より引用
時にはラスボスで並ぶこともあり、コマンドひとつで手に汗握る展開もある。
過去の大会はTwitchにアーカイブが残っているので、興味がある人はぜひ一度見てほしい。
大会本部はこちら
身内メンツでDQRTA8作リレ―
大会の間口:既存プレイヤー全体
通称身内8作。(大会名は採用作品数により毎回変わる)主な間口は既存プレイヤー全体であり、事前にチームを作ってから大会へ応募するシステムである。
身内でわいわい楽しく大会に参加することを目標にするチームから、数多のプレイヤーが集まる大会で1位をとることを目標にしているチームもあり、東京マラソンのようなカオスさが見られる大会である。最大22チーム(132名)が同時ミラーされたこともあり、本家駅伝と比べると多くのプレイヤーがいかに楽しめるかに重きを置いた大会といえるだろう。
これまで13回大会が開催されているが、規定人数までは先着で応募可能なので、本家駅伝へ参加できないが大会という刺激が欲しい既存RTAプレイヤーの受け皿にもなっている。
画像:第13回身内メンツでDQRTA8作リレーより引用
11人が一斉にスタートしてレースを行う様子は圧巻である。
こちらも過去の大会のアーカイブがTwitchに残っている。
大会本部はこちら
DQRTA底辺駅伝対決
大会の間口:ガチプレイヤー
ひたすらRTAの腕をみがくガチプレイヤーが真の頂点を決めるための大会である。
ルールは毎回異なるのだが、例えば前回大会の7回は下記内容で最終本選の走者を決定した。
【走者選出方法】
①大会期間中に、最速タイムで走ったプレイヤー
②大会期間中の平均タイム最優秀プレイヤー
③応募締め切り時点で、応募のあったRTAwikiの最速プレイヤー
早いだけではなく一発勝負がうまいことも求められており、特に②については規定本数のうち遅いタイムを何本か切り捨てることができたので、より考えながらRTAすることも求められただろう。
序章で引用したツイートがあったと思うが、今やe-スポーツに片足を突っ込んでいるともいえるRTAにおいて、ドラクエの大会の中では競技としての側面が一番強い大会と私は考えている。特にRTAでタイムを詰めている人たちが、大会の場で次こそは一位を取るというモチベーションをもってもらうならこういう大会もいいのではないかと思った次第である。
1点残念な点は、こちらの大会はしばらくのあいだ開催されていないところである。
大会本部はこちら
しかし、そのニーズに応えるかのように有志により様々なルールでガチ勢を募った個人企画が開催されている。
今はなんと本家駅伝運営のえぐさん主催のDQRTAアベマックスカップが~1/3(月)23:59まで開催中である!
アベレージとトップスピード、双方が求められる面白いルールなのでぜひチェックしてみてほしい。
詳細はこちら
アベマックスカップはDQ五輪開催までを埋めるスケジュールにしていました。まだまだ期間はありますので、企画参加、参加作品追加お待ちしてます!私もアベマックス次は2も参戦します。各作品5位入賞までは結果発表で表彰します。https://t.co/bkJyeFQ82H
— えぐ (@egu_popn_toho) November 29, 2021
DQ五輪
大会の間口:既存プレイヤー全体
本家駅伝にて開催されている番外編大会。間口は身内8作と似ているものの、趣旨はまったく異なる。
オリンピックのようにドラクエの多種多様な作品・カテゴリーが公募で採用され、それぞれで1位~3位を決定する。
内容は、短く運を競うような種目から、そもそも完走が困難な種目までなんでもあり。(例:DQ3で次の町まで走り抜けるRTA、メタル系の討伐禁止でDQ8をクリアするRTA等)
単純なRTAではタイムで劣るプレイヤーでも上位入賞を狙えるほか、順位得点もあるためマルチ作品プレイヤーは総合優勝を目指すことも可能である。RTAのカテゴリーが無限大であることを教えてくれ、いつもと違った刺激が味わえる味変の大会である。(筆者も前回『カジノでコインを20000枚集める』だけの運だけ競技で1位を取った)
そしてなんと第2回のDQ五輪が来年1月8日から開催予定である!
第2回DQ五輪開催決定!今回もたくさんの種目で楽しみましょう!
走者応募フォームはこちらから → https://t.co/VAk8S3IJwT— 【ロト】ドラゴンクエストRTA駅伝対決【天空】 (@dqrta_ekiden) November 28, 2021
プレイヤーエントリー、種目募集を絶賛実施中!
ドラクエのRTAをはじめてみたい人、軽くRTAをやってみたい人はこれを機にチャレンジしてみてはいかがだろうか。
前回のルール・結果はこちら
最後に
今回はドラクエRTAの大会を紹介した。
結局イベントはやりたいことをやるのが一番!
マラソンイベント以外にも、こういうイベント面白そうだなという刺激になったなら幸いである。
みんなでイベントを企画してSGDs達成目指して頑張ろう!
おもにドラゴンクエスト、ファイナルファンタジーのRTA情報を発信していきます。
オフラインイベントにもよく顔を出しているので、記事執筆はお気軽に御声掛けください。
コメント