パズルゲームのRTAを見たことがある人なら、一度はこう思った経験があるのではないでしょうか。
大連鎖を組みながら、目にも止まらぬスピードでステージをクリアしていく実力者のプレイングは圧巻の一言で、その思考を分析するのは困難です。
ならば、聞いてみましょう。
この記事では、パズルゲームRTAのトッププレイヤーのプレイングを拝見し、プレイ中にどんなことを考えていたのか伺うことで、高度な思考の解明に迫ります。
(この記事は連載企画です。前回のパズルボブル編もあわせてご覧ください。)
今回のゲームと走者説明
今回披露していただくのは、ソニー・コンピュータエンタテインメントが1999年に発売したパズルゲーム「XI[sai] JUMBO」(以下、「XI JUMBO」と表記)です。
「XI[sai]」シリーズの2作目にあたる今作は、ダイスが2段になるなどのシステムの変化や、ダイスを持ち上げられるなどのアクションの追加もあり、より遊びごたえのある作品へと進化しました。
ルールこそ単純なゲームですが、そもそも難易度が非常に高くクリア自体が難しいことに加えて、RTAでは実力者でも乱数に振り回されます。
今回は、そんな奥深い高難易度RTAに精力的に取り組むまる氏に、XI JUMBOのRTA中に何を考えているのか伺います。
XI[sai]シリーズの3作品全てで世界記録を保有するトッププレイヤー。2020年11月頃からRTAを始め、RTA歴は約半年と短いながらも、同シリーズのリーダーボードの最上位をほしいままにしている。サイコロは振るより揃える方が好き。
今回まる氏にお話を伺うカテゴリは、次々に繰り出される全100個のノルマをクリアする「Trial Mode Norma Attack」というカテゴリです。
全100問の「ノルマアタック」モードをクリアするカテゴリで、RTA in Japan 2020でも披露されたことがあるため知っている人も多いかと思いますが、一般人にはまずクリア自体が難しいです。
同シリーズのRTAでは右に出る者がいないほどの実力を誇るまる氏が、高難易度のRTAでどんな離れ業を魅せてくれるのかに期待しましょう。
そんなまる氏のプレイングを拝見し、お話を伺う役目は、筆者のShino.が担当します。
普段はパズルボブルを走っている。XI[sai]シリーズのファンでXI JUMBOも所持しているが、未だにどのモードもクリアできていない。サイコロは振るより身につける方が好き。
プレイングを見てみよう
今回まる氏に解説いただくのは、まる氏が2021年4月19日に樹立した「38分17秒」の記録動画です。この更新により、自身が所持していた世界記録を約1分塗り替えました。
(筆者注:インタビュー収録後、本稿執筆中にまる氏がさらに自己ベストを更新し、世界記録は37分49秒になりました。)
XI JUMBO Trial Mode Norma Attack in 38:17.99 | YouTube
「転がしたダイスが消えるゲーム」とでも言いたくなるほどのスピードでダイスを消していく様は、まさに圧巻の一言。
完走するためには100問のノルマ全てをクリアする必要はないのですが、当然のように100問全てをクリアしていく姿からは、王者の貫禄が感じられます。
では、XI JUMBOのトッププレイヤーであるまる氏の思考に、早速迫っていきましょう。
(本稿で使用しているゲームのスクリーンショットは、特別に記載がないものは全て「XI JUMBO Trial Mode Norma Attack in 38:17.99」から引用しています。)
110問と戦うタフなゲーム
では、早速動画を見ていきましょう。盤面が表示されてから動き出すまで0.5秒もかかっていないのですが、このスタート時にはどこを見ていますか?
最初のノルマは「2を10個消す」なので、最初に乗っているダイスの目を2にするために、移動先がダイスで埋まってないかを見ています。最初に乗っているダイスは上に転がすと2になるので、埋まってなければ上に転がしてすぐ2に、埋まっていれば左右にずらしてから2の目にします。
2の目なら2個以上、3の目なら3個以上と、目と同じ数だけダイスを隣接させると消せる。また、消えかけのダイスに1の目を隣接させると、操作キャラが乗っている以外の1の目のダイスを全て消せる。
なるほど。このノルマアタックでは、一部のノルマを除いて出題順がランダムなんですよね?
そうですね。各レベルの最初の2問と10問目の全消しは固定で、真ん中の7題がランダムです。あと、「次のレベルまで〇個」もノルマの扱いではないですが固定で出るので、1レベル11問の計110問だと思ってます。
1レベルごとに10問ずつ用意されている。それぞれに制限時間が設けられており、時間内にクリアできなくてもゲームは進行する。また、各レベルの内部で定められている時間を経過すると10問全てが出題されなくても次のレベルへ移行するが、RTAでは全てクリアした方が当然早い。
改めて見ると、問題数がエグいですね……。このノルマ、全部暗記されてるんですか?
全部覚えているわけではないです。中盤はあやふやなものが多いですね。ただ、ノルマを覚えることより、どのノルマが出題されたかを覚えておくのが大変です。
なんてタフなゲームなんだ……。
レベル1の10問が終わって、「LVアップまで〇個」のシーンに来ました。
とにかく数を消すことが求められますが、この時にはどの辺りを見てますか?
基本的に、フィールド全体を見てます。たとえば、3が2個近くにあるみたいな、あと1つ揃えたら3が消せるところがないか見てますね。ずっとチェインするよりは、単発で消していった方が消える個数が多いので。
沈みかけのダイスに同じ目のダイスを繋げて消す、XI[sai]シリーズの基本テクニック。
なるほど。
この面はまだそこまででもないですが、後半では効率よく消していくためにも、フィールド上をぐるぐるしてできるだけ揃えやすい色をつまみ食いする感じで揃えてます。1から6まで全部の目を消すくらいの気持ちですね。
さて、レベル3にやってきました。ここでお話を伺いたいのは、「3を3個予約」のミッションです。
沈むダイスの上に同じ目のダイスを乗せることで、自動的にチェインを発生させるテクニック。本RTAではさまざまなノルマでお世話になる。
この最後の1個は、ダイスを投げて3をチェインさせたうえで足元のダイスを予約させにいっていますが、この時は何を考えてたんですか?
後から見ると「なんでこんな動きしたんだろう」って思うんですけど、これ、1つ前の「3で200点CS」が出てることを忘れて3を繋ぎにいってますね。
「チェインスコア」の略。1回のチェインで得たスコアを指す。
3のノルマがこのレベルに残ってたっていう思い込みで、「3のチェインを繋いだ方がいいだろう」って思ってあんな変な動きをしてます。そうじゃなかったら、近くに3があるんで、新しく3を消して予約した方が早いですよ。だから、意外と何も考えずにサイコロを転がしてるって感じですね。
何も考えてなくてあの動き……。
やっぱり、何が出たかを覚えておくのはしんどいですね。
さっきもそうおっしゃってましたもんね。ノルマアタックRTA、人類には難しすぎる……。
ミスがあってこそRTA
同じくレベル3、全消しノルマです。この残り5個の消し方も綺麗ですね。
この5はプレイ中に「ああ、いい感じで回ったな」と思いました。
まるさんのプレイングは、全消しノルマの最後の方の消し方が本当に綺麗ですよね。
全消しノルマで一番見てるとこって、残り個数なんですよ。残り個数と同じ目を最後に消せれば一番綺麗なので、一緒にならないかなと考えてます。ここの5はぴったり一緒になったんで、綺麗に揃いましたね。
なるほど。続けてレベル4の全消しノルマも見ていきましょうか。相変わらず早いですね。
いや、この石ダイスのところは、個人的にちょっと焦ってますね。
本当ですか? 焦る要素が全く見つからないんですが。
右下で6を揃えようって意識があるんですけど、ここで2で誤爆しちゃうんで。せっかく6がいい感じに揃いそうだったのにって、この瞬間はかなり焦ってますね。
確かに! ここで消えてなければ、石ダイスを手前に転がすと6になりますもんね。
そうなんですよ。そこで消し方がだいぶ変わってるので、焦ってるんですね。だから、「あと4個」って部分が見えてないっていう。
ここの4つ残しはぜったいに4の方が早いのに。3秒くらい違いますかね。こういう1カ所3秒の積み重ねが5カ所くらいあると、15秒変わるので。
そうですよね……小さなミスも積み重ねれば大きなロスになる。
でも、RTAって感じがしますよね。
動画はレベル4のラストです。2段目にダイスが来てると、裏のダイスが見えないじゃないですか。どう対処してますか?
見えないですね。けど、見えるとこから消すのもありますし、この場合だと意外と何とか見えてるかなって。
見えてる……?
……あの、ひょっとして、数学の立体図形の問題って得意でした?
得意でした。
やっぱり~!
ボーナス問題ですね。出たらラッキーだし、問題文にサイコロって書いてある時点でテンションが上がってました。
あ、脳の構造から違いますね。そりゃあサイコロ揃えるのも上手いわけだわ。
「リカバリしよう」とは思わない理由
さて、レベル5までやってきました。今のノルマは「6を45個消そう」ですね。
ここの最後も冷静ですね。そのまま下に転がすと2が出て消えてしまうので、ちょっと遠まわりして、そのまま1をひっくり返して45個。
なるほど! そこまで見えてるんですね!
全消しノルマからここまでの1分間に、冷静さを取り戻してるなあと。
いやほんと、なんでそこまで見れてるんですか?
実はこれ、XIゴのRTAを走った後の息抜きだったんですよ。XIゴがあまりにボロボロだったので、このままじゃ寝れないなと思って、走り慣れてるものをやろうと思って走り始めたんです。何も考えてないのが良かったのかもしれません。
XI[sai]シリーズの最終作。ダイスを発火させて爆発するシステムが特徴。タイトルの読み方は「さいご」。
同じくレベル5、1の20個同時消しノルマです。これは20個数えますか?
数えますね。数えて22~23個になったところでタイムを見て、30秒残ってることを確認してから消します。30秒残ってなかったらその日の調子が悪いってのが分かるだけで、やっぱり消します。
確かここの制限時間は55秒くらいなので、1秒で1個揃えたら大体30秒は残るかなって。
はっや。あ、今回は24個消えてますね。
この時は、一番左に最初からあった1をカウントしてないので24個になったのかなと思います。個人的には、22、3個あったからOKくらいのイメージなので。これでうっかり19個だったりすると、大体25秒くらいロスするんで。
あぁ、それは大きいですね。
ここを20個で毎回きっちり攻めたプレイすれば確かにタイムは縮まるんでしょうけど、そこまですることはないかなってのが印象です。
確かに。
ここで縮めるよりも、良い乱数を引けばそれでいいと思ってます。
同じレベル5の「6を13個つなげる」のノルマでは、足場を失うシーンが2回ありました。この時のリカバリはどんなことを考えていましたか?
実は、この場面はリカバリという意識はないです。
なんと。
13個くらい最初からでもやり直せるので。6を消すためには最初から6個必要なので、「6を13個つなぐ」って要は「7チェインしろ」と変わりないんですよ。残り20秒でも余裕でさばききれるので、落ち着いて足場のダイスを拾いに行って、という感じで、全く焦ってないですね。
強い。
「ミスったからリカバリしよう」って思うともう焦ってるので、「6を適当に繋げて13個にすればいいんでしょ」くらいに考えてます。今回はここで13個になってますけど、6の隣の3を左に転がして、3があったところにすぐ上の4を転がしたらもう2個増えるな、までは思ってます。
ひえ~。最強じゃん。
運が絡むからゲームは面白い
ちょっと飛んでレベル8です。このレベルの全消しノルマでは、ジャンボダイスが降ってくるんですよね。
1辺が通常のダイスの2倍の大きさのダイス。上に乗っても転がして目を変えることができない。
今回は6が降ってきましたが、大きい目だと面倒だなと思いますか?
今回はまだいい方です。無理な時は無理なので。
無理とは……?
ダイスが7個しかないのに、6・4・1の目が降ってきたことがあります。記録ペースで、今回とどっちが早いかくらいの時ですね。
うわ、どうしようもない……。
これはほんとに、どうすれば良かったんでしょうね。今でも分からない。ジャンボダイスが降ってきてからは、無駄な消しをしてないはずです。
ひどい運ゲーだ。
でも、ゲームって運が絡んだ方が面白いですからね。勝敗が完全に実力で決まる競技って、中級者が上級者に挑む理由がないじゃないですか。知識とか手筋ですりつぶされて負けるので、やっぱりどこかに一発逆転や運の要素がある方が、ゲームなのかなと。
聖人かな?
できればやりたくなくても挑むのは
さて、山場がやってきました。レベル9の開幕、「2を80個消す」のノルマです。
市松模様のように1と2を綺麗に積んでますが、これは何をしてるんですか?
2の予約を仕込んでます。もともとは他の走者さんがやっていたのを見て教えてもらったんですが、色々試したところ、どうやら「予約ダイスを2個以上同時にハッピーワンで消すと、消去判定個数が複数加算される」ってことが分かってきたんです。
ダイスをn個予約した時に、消去判定が1+2+…+n回行われ、消えた判定が実際に消えた数より増える現象。予約ダイスが2個なら1個、3個なら3個、4個なら6個と増えていく。
このノルマに限らず、ハッピーワンで1を消したときに同時に消えるように予約ダイスを仕込む行為は、走者の間では「積み込み」と呼ばれ、「2を7個同時に」と「6を25個同時に」のノルマでは必須テクニックとなる。
ほうほう。
このノルマは、11個予約して残り14個2の目を揃えるか、12個予約して残り2個2の目を揃えた方が早い。なので2を積み込んでいます。
なるほど。でも、他のノルマでは積み込んでない時もありますよね? たとえば、レベル8の「5を60個消す」とか。
ここは、積み込んだ方が早いかどうかは今も分かってないです。気持ち楽なのは、普通に消す方ですね。考えることが何もないので。
では、積み込みはできるだけやりたくないというところでしょうか?
できればやりたくないですね。2段目でうっかり消えちゃったり、意外と1段目で消しちゃったりっていう事故があるんで。でも、2を80個のノルマは積み込んだ方が早いのと、やっぱり見た目が良いので、積み込みにいってます。
なるほど。では、レベル9の「2を80個消す」に戻りましょう。ここで2や3を消してるのは、スペース作りですか?
そうですね。ここで一番気を付けるのは、単純に窒息を避けることなので。
ノルマアタックにおいては、1段目が全てダイスで埋まってしまうことを指す。窒息した時点でゲームオーバーなので、どんなに良いペースでも記録はなくなる。
あぁ、確かに。
ここでよく窒息するんですよ。積み込み中に何回も窒息して、記録ペースを捨ててますね。
悲しい……。
ここが決まれば記録ペースに乗るという感じですね。今回は今までで一番綺麗に決まったと思います。
そして、間髪入れずに「1を40個同時に」のノルマです。
ここは正直言って、もうちょっと早めに消して良かったですね。1を2段目に7個積んだ時点で、残りフィールドの42個のうち26個が1なら足りるじゃないですか。
あ、ほんとだ。50個消えてますもんね。
ここは安全に行き過ぎたなと。2を綺麗に消したから「記録ペースだ」って実感ができちゃったんですよ。なので、守りに入ってます。
さっきの「2を80個消す」が上手すぎたばっかりに……。
実力と乱数と心の余裕
さて、最後のレベル10に突入しました。これは最初の「6を70個消す」のノルマですね。
ここは、記録が見えてるんで慎重に積み込みにいってます。後で見返して思ったんですけど、70個ってことは11個予約して下に4個あればいいんですよ。
動画だと12個積んじゃってて、しかもラスト1個でもたついているのでもったいないなと、後から見ると思います。
この動画にまだ更新点があることにビビるんですけど。
で、今回は「4を25個つなぐ」からひたすら運が良かったです。理想の出題順でした。レベル10には2の目のノルマが2つしかないんですが、7問中2問が続けて出てくれたのラッキーでした。
たとえば、「6を25個同時」→「6で1000CS」→「6で25チェイン」の順で出題されると、最初のノルマを達成した時点で既に2つ目のノルマの条件が整っているため、大きな短縮になる。
さて、97個目のノルマ「6を25個同時に」です。もう最終盤ですね。
実は、この時点で6のノルマしか残ってないんですよ。25個同時と、1000点CSと、25チェイン。このうち、25個同時が先に出てるって本当に運が良いんです。良い乱数に恵まれました。
あとはひたすら6を消していくだけですもんね。
それなのに、ここからミスをいっぱいやって15秒くらい落としてるのは、もっと上手くいけたかなっていうのが。
ご自身でも、なんとか塗り替えたいっておっしゃってましたもんね。
(筆者注:せっかくなので、塗り替えられた記録の「6を25個同時に」をご覧ください。)
でも、RTAはミスがない方がおかしいですから。
おっしゃる通りです。
これ、この時点で足りてるんですよ。だからすぐ消せばいいのに、余計な動きをして。
あっ、ここで消えちゃう、と。
あぁ、あぁ……。
あぁ……。
ここはもう焦ってますけど、冷静に。6を集めればいいんだと。
ここで動揺せずに6を集められるところがすごいですよね。
いや、ほんとにここは、1回動きを止めてます。深呼吸してますね。
深呼吸は大事。
下側で6が繋がっちゃってるので、ここの6でジャンプしちゃったらもう終わりです。なので、慎重に2を消しに行きます。ジャンプするダイスが1個ずれるだけでアウトですから。
怖い! ここでミスりたくない!
で、この後の「6で25チェイン」の時点で全体のノルマ数が98なのを見て「え、これもしかしてあと6だけじゃね?」って思って。ここでやっと良い乱数を引いたことに気付きました。
となると、この辺でだいぶ心拍数が上がってきてましたか?
めっちゃ上がってましたし、全消しノルマが出た時点で残りダイスがなかったらどんなバグが出るんだろう、みたいな期待はしてます。
ここでそんなこと考える余裕が!?
全消しノルマが出てるのに消去するダイスがなくてバグって止まったら、撮れ高が高すぎて笑いが出ます。
このペースで来てバグの撮れ高を考える辺りがマジでヤバいですね。
前にジャンボダイスが消せなかった経験があるので、ポジティブに行きます。
レベル10の全消しノルマって、普通は時間が足りないって嘆くところなんですけど、2個しかないのでおしまいです。
瞬殺だ。
で、この時にタイマーをちらっと見たら37分18秒くらいで、「これはもうきっちり38分台を叩き出すしかないよな」って。
かっこいいなあ。
完全に更新ペースですから、「ここからあと60個消すのに1分半なんて掛けてる場合じゃねえぞ」と。仮に1分半かかるんだったら窒息してるわけなので。
確かに。そのペースで消していかないと窒息してゲームオーバーですもんね。
だから、生きて帰れば100%記録更新。
ドキドキしちゃいますね! 手とか震えてましたか?
いえ、震えたりはしてないですね。更新幅が大きくて、自己ベスト更新は間違いなかったんで。
となると、余裕をもって更新できたのが大きかったんですかね?
大きかったですね。ラストの99個消しでも、本当に埋まってきてどうしようもない時と2段目で消す余裕がある時では、20秒くらい変わるので。今回は割と気楽に行けてる感じがします。だって、6なんか普段は消す余裕なんてないですもん。
タイムのゆとりは心のゆとり。
で、タイマーストップと。
ノルマの達成率は100/100、お見事です。
今後の展望
改めてご自身の記録を振り返ってみて、いかがでしたか?
いやあ、運に恵まれたなあと。
パズルゲームできるマン、みんなそう言うな? では、今回の記録が更新できた理由も運だとお考えですか?
LV9の「2を80個同時に」のノルマまでは実力ですけど、最後の最後に本当に良い引きをしてるので、そこは運ですね。
なるほど、運と実力が噛み合ってのことですね。では、今後もこのRTAの記録を詰めていきたいとお考えですか?
うぅん……でも、これより良い乱数を引いて、さらに上乗せで短縮してって思うと、とりあえずこれで来るところまで来たんじゃないかなとは思いますね。半年前に初めて申請した記録から5分巻いてるので、とりあえずこれでいいかなっていう。
(筆者注:まる氏は、このインタビューを収録した4日後に世界記録を30秒ほど更新しています。)
では最後に、XI JUMBOのRTAに限らず、今後の抱負などありましたら教えてください。
まだ単独でイベントに出たことがないので、いろんな人が見る前で、解説を付けていただいて走りたいというのが目標ですね。まだ誰も成し遂げていない100/100を、何なら37分台をお見せしたいです。
私も楽しみにしています!
まとめ
高難易度と名高いXI[sai]シリーズのRTAで、数多くの世界記録を持つまる氏。RTA中の思考も、通常のプレイヤーとは異なる部分がいくつか見られました。
人間には避けられないミスへの心構えや、乱数と上手に付き合う心の余裕。まる氏のプレイングを支えているのは、長年のプレイで培われてきた実力はもちろんのこと、まる氏のRTAに向き合う姿勢なのではと感じます。
本稿は、まる氏の多大なるご尽力により完成しました。心より感謝申し上げます。
パズルボブルRTAをやる人。みんなからはタイトーの回し者と呼ばれておるぞ。
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