タッチ!カービィ スーパーレインボーとは
『タッチ!カービィ スーパーレインボー』は、任天堂とHAL研究所により開発され、2015年にWii U専用ソフトとして発売されたソフトです。2005年にニンテンドーDSで発売された『タッチ!カービィ』を踏襲した内容の作品であり、Wii U GamePadの画面に直接タッチして線を描いてカービィを導くという、独特の操作が特徴です。
本作はマルチプレイに対応しており、1PがWii U GamePadを操作し、2P~4PはWiiリモコンかWii U Proコントローラーを操作します。2P~4Pはワドルディを操作し、カービィを持ち上げて運んだり敵を攻撃したりできます。
本作はamiiboに対応しており、カービィ、デデデ、メタナイトの3種類のamiiboを使用することができます。それぞれ違った効果があり、それぞれ1日1回、1ステージだけ使用可能です。
speedrun.com上では、4つのメインカテゴリーがあります。この記事では、最速でクリアを目指すAny%というカテゴリーを紹介します。
Level Skipについて
本作は、Level Skipと呼ばれる仕様があります。これは、同じステージで4回ミス(体力が0になること)をすると、今いるステージをスキップすることができる仕様です。初心者向けに用意された救済措置と言えるシステムです。任天堂の作品、特にアクションゲームには、これと似たようなシステムを持つ作品が多くあります。しかし、本作ほどこのシステムが猛威を振るう例は、なかなか見られないのではないでしょうか。
このLevel Skipを使うAny%、使わないAny% No Level Skipsにカテゴリーが分かれています。執筆時点で、Any%の世界記録は筆者が持つ51分22秒、Any% No Level Skipsの世界記録はswordsmankirby氏の持つ1時間39分20秒となっています。47分58秒もの差があることから、Level Skipが非常に強力であることが分かると思います。
ここまでLevel Skipが強力になった要因は、各ステージが長めである、たった4回のミスでまるごとスキップできる、ゲームオーバーになってもデメリットが少ない、の3点にあります。本作は全部で28ステージありますが、Any%では24ステージをスキップすることになります。1ステージをスキップするのに4回ミスするため、全体で96回のミスをすることになります。大抵のシーンでわざとミスを繰り返すカービィを見ることになります。
最速でミスをするために
ミスをするだけなら簡単ですし、最後のステージさえクリアできれば完走できます。しかし、最速を目指す場合、話は別です。カービィの体力は4ありますので、4回ダメージを受ける必要があります。まずはとにかく早くダメージを受けましょう。1回ダメージを受けると、一定時間無敵になるので、無敵が切れるタイミングで敵に重なっておきます。これを体力が0になるまで繰り返すのです。敵が動かない場合は楽ですが、動く場合は厄介です。敵の動きに合わせてカービィを動かす技術が求められます。
amiiboについて
RTAで使用するamiiboは、カービィとメタナイトです。カービィのamiiboは特に強力で、ポイントスターを100個集めないと出せない強力な技を何回でも使えるため、ボス戦でとても役に立ちます。1日1回しか使えないので、RTAでは2回使うためにWii U本体の時計の時間を調整し、途中で日付をまたぐ必要があります。4番目のステージである1-ボスでカービィのamiiboを使用した後に日付をまたいで、28番目のステージである7-ボスでもう一度カービィのamiiboを使用できるようにする、といった感じです。
2-1の大技、壁越えショートカット
5番目のステージである2-1では、最初のマップにゴールがあるのですが、壁の向こうにあり、通常は回り道をしないとゴールにたどり着くことができません。しかし、壁は画面外の上空までは伸びていないので、うまく画面外の上空に飛ぶことで壁越えをすることができます。これにより、4回ミスをするよりも早く先に進むことができます。
カービィのamiiboを使用すると楽なのですが、使わなくても壁越えは可能です。また、2Pのワドルディを使うことで、安定させることができます。どうしても壁越えが安定しない場合は、ここでカービィのamiiboを使用し、1-ボスでは使用しない、というルートにすることもできます。
まともに戦う2-ボスとラスボス
8番目のステージである2-ボスは、クリアした方が早いのでまともに攻略します。このボス戦では、4つの部位を壊すことにより勝利できます。3つ目の部位を最速で壊すのが特に難しく、失敗すると周期の都合で大きなタイムロスになってしまいます。
7-ボスは最後のステージであるため、Level Skipが使用できません。クレイシア戦とダーククラフター戦に分かれており、クレイシア戦はカービィのamiiboの力で簡単に突破できますが、ダーククラフター戦ではカービィがカービィロケットという特殊な形態になるので、amiiboの効果がなくなります。ダーククラフター戦ではカービィロケットを操作し、ポイントスターを100個集めるごとに1度だけ使える技を3回当てることで勝利できます。1回攻撃を当てるごとに敵の攻撃は激しくなり、最後は弾幕の中を進まなければなりません。弾にわざと当たり、無敵時間を利用してこちらの攻撃を当てるという方法も有効です(100%というカテゴリーでは、各ボスをノーダメージで倒すという条件が加わるため、この方法は使えません)。
まとめ
本作のAny%というカテゴリーでは、ほとんどの場面でわざとミスをして進んでいくことになります。しかし、壁越えショートカットやボス戦の技術はもちろん、最速でミスをするのも技術が求められたりするので、簡単そうに見えてやり応えは十分にあります。とはいえ、ひたすらミスを繰り返し、96人ものカービィを犠牲にするので、かなり異質なRTAに見えるかもしれません。RTAはできるだけ早くゲームをクリアするというのが基本です。この基本に則った結果がこうなってしまっただけなのです。
※本記事の画像は全て筆者が撮影しました。
星のカービィシリーズのRTAをメインに活動しています。
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