LiveSplit ver1.8.34-35 のバージョンアップ

RTAツール

概要

Splits Editor を開いた際に数秒間操作不能になる現象が解消されたり、新たな比較対象タイム Golf HCP が追加されたり、内蔵サーバのコマンド追加や自動起動といった機能向上が行われました。

1.8.30 で追加されたものの不具合のために 1.8.33 で差し戻されていた DPI Awareness に関する変更が復活し、その on/off を切り替えることができるようになりました。

その他に、Autosplitter に関する機能の改善が行われました。

ver1.8.34 (2025/09/30 JST)

ver1.8.34 本体のアップデート

DPI Awareness の設定を追加

  • Added a setting for DPI awareness, which is off by default.
  • DPI Awareness の設定を追加しました。(デフォルトではoffです)

説明

1.8.30 で追加された後 1.8.33 で削除された DPI Awareness に関する機能が、on/off を設定できるようになって復活しました。

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Splits Editor を最初に開いた時のプチフリーズを改善

  • Slightly improved the lag when the Splits Editor is first opened, due to the list of games being added to the Game dropdown.
  • Splits Editor を最初に開いた時のプチフリーズを改善しました。この遅延はドロップダウンリストへのゲーム一覧の追加処理に起因していました。

説明

LiveSplit 起動ごとに Splits Editor を最初に開いた時に、これまではドロップダウンリストに全てのゲームタイトル(約 44,000 件)を一度に追加する処理をしており、追加が終わる 5 秒ほどの間に操作不能時間が生じていました。

この変更でドロップダウンリストへのゲームタイトルの追加を複数回に分けて行うようになり、Splits Editor を最初に開いた時でも開いた直後から操作が可能となります。

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比較対象タイム Golf HCP を追加

  • Added Golf HCP as a comparison to choose from in the Choose Active Comparisons window in the Settings.
  • 使用可能な比較対象を選択する設定画面に Golf HCP を追加しました。

説明

HCP(ハンディキャップ)はゴルフにおける成績算出方法のひとつとのことで、直近 20 ラウンドのスコア内の上位 8 ラウンドのスコアを平均したスコアだそうです。

これを Speedrun に応用して、HCP で算出したタイムを自己ベストとは異なる目標タイムとして活用することで、自己ベスト更新のプレッシャーやタイムの伸び悩みなどによるモチベーション低下を防ぎ、総合的なタイム向上を目指せるようになるとのことです。

デフォルト設定のままだと無効になっているので、Golf HCP を利用するには Settings → Choose Active Comparisons で有効化が必要です。

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Splits.io との連携を削除

  • Removed the integration with Splits.io, which has shut down.
  • サービス停止した Splits.io との連携を削除しました。

説明

Speedrun 記録の保管や解析ができる web サービスである Splits.io と LiveSplit とを連携できる機能がありましたが、2025 年 03 月 31 日に Splits.io がサービス終了となったため削除されました。

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内部サーバのコマンドを追加

  • Added getattemptcount and getcompletedcount commands to the server.
  • 内部サーバに getattemptcount と getcompletedcount というコマンドを追加しました。

説明

LiveSplit の内部サーバとの通信において、試行回数と完走回数を取得できるようになります。

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内部サーバの自動起動が可能に

  • Added a setting to automatically start a server on startup.
  • LiveSplit 起動時に内部サーバを自動的に起動する設定項目を追加しました。

説明

LiveSplit は TCP と WebSocket の 2 つの内部サーバを持っており、これまでは LiveSplit を起動するたびに都度サーバ起動のための操作を行う必要がありました。

この変更で、LiveSplit 起動時に自動的に任意のサーバを起動することができるようになります。

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Auto Splitting Runtime component

ご注意
この Auto Splitting Runtime とは、マルチプラットフォームで動作する LiveSplit One 用に作られた Autosplitter を LiveSplit で使えるようにするための機能です。
 LiveSplit における一般的な Autosplitter とは別の機能なのでご注意ください。

手動での区間移動操作が検知可能に

  • Now allow autosplitters to detect split/skip/undo events, even if they were done manually by the user.
  • ユーザーが手動で split / skip / undo を行った場合でも Autosplitter が検知できるようになります。

説明

筆者が Auto Splitting Runtime について詳しくはないので推測を含んだ話になってしまいますが、おそらくはこれまでの Auto Splitting Runtime は LiveSplit の split / skip / undo に関係するイベントを取得できず、LiveSplit から現在の区間を取得することもできなかったのだと思います。
 そのため、Auto Splitting Runtime が自分自身で行った自動 Split の回数によってでしか現在の区間を把握できなかったのだと思います。

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設定画面のちらつきを修正

  • Fixed an issue with the settings page flickering when a setting changed.
  • 設定変更時に設定画面がちらつく不具合を修正しました。

説明

これまでは設定変更時に設定画面を最初から作り直す処理になっていたため、画面のちらつきやスクロール位置の初期化が起こっていました。

この変更で、必要な場合にのみイチからの再構築を行うようになります。

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設定項目名の表示方法を改善

  • Improved how WASM files are displayed in the settings.
  • 設定画面での設定項目名の表示方法を改善しました。

説明

LiveSplit の他の設定画面との統一性を高めるために、設定項目のラベル部分の文字サイズが他より大きかったのを同じサイズになり、リンクと誤解される恐れがあるのある下線付きのテキストから下線が削除されました。

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Scriptable Auto Split

プロセス名の大文字小文字を区別しないように変更

  • Now allow switching between processes with the same name but different casing, by making the string comparison case insensitive.
  • 大文字と小文字とを区別しない文字比較を行うことで、同じ名前だけど大文字小文字の違いがあるプロセス同士の切り替えを許可します。

説明

これまでは、例えば、とあるゲームでバージョンごとの実行ファイル名が ver1.0 では Game.exe で、ver1.1 では game.exe となっていたとして、Autosplitter は Game と game は全く別のゲームとして判定していました。

この変更で、Game も game も同じゲームだと見なされるようになります。

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Splits and Subsplits

カスタム変数の表示に対応

  • Added Custom Variable as a column type.
  • 列のタイプとしてカスタム変数を追加しました。

説明

Autosplitter が持っている情報を LiveSplit 本体で保持できるようになるカスタム変数という機能が 1.8.30 で追加され、1.8.31 では Text コンポーネントでカスタム変数を表示できるようになったのに加えて、この変更で Splits コンポーネントと Subsplits コンポーネントでもカスタム変数を表示できるようになります。

カスタム変数への対応と関連して列幅の自動調整機能も追加されたのですが、列幅の自動調整機能に不具合があったため、この変更は 1.8.35 にて差し戻されました

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列幅を自動的に調整

  • Columns now automatically expand to fit longer times.
  • タイムの桁数が多くても自動的に列幅がフィットします。

説明

これまではタイムの桁数にかかわらず固定の列幅だったので、タイムの桁数が増えてくると列幅からはみ出してしまいました。

この変更で、タイムの桁数に応じてフィットするように自動的に列幅が調整されるようになります。

不具合などの発生により、この変更は 1.8.35 にて差し戻されました

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Video component

VLC ロゴ表示を削除

  • Removed VLC branding when a video is not playing.
  • 動画が再生されていない時の VLC ロゴ表示を削除しました。

説明

筆者の環境では、これまでは、タイマースタートしてから動画の再生が開始されるまでの一瞬だけ VLC のロゴが表示されていました。(タイマースタートの前は Video の画面は LiveSplit の背景色が表示される仕様なので、ここでの「動画が再生されていない時」というのは再生命令が出てから実際に再生が開始されるまでの一瞬のことだと思います)

この変更で、VLC のロゴが表示されなくなります。

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ver1.8.35 (2025/10/04 JST)

1.8.35 Splits and Subsplits

列幅の調整に関する変更を差し戻し

  • Reverted changes related to columns expanding, due to some regressions.
  • デグレードのため、列幅の調整に関する変更を差し戻します。

説明

1.8.34 にて列幅の自動調整機能が追加されましたが、意図しないレイアウトの崩れを発生させてしまったり、幅の調整が上手くいかない現象が発生していたため、この変更は差し戻しとなりました。
(ソフトウェア関連においてのデグレードとは、ソフトウェアに変更を加えた結果としてその品質の低下が生じることです)

また、Splits and Subsplits のカスタム変数への対応は幅の自動御調整機能と関連があったため、カスタム変数への対応についても差し戻しが行われました。

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