タイマー操作をミスしてしまったので記録が申請できないという声を時折見かけますが、申請先が Speedrun.com であるならばルールで明記されていないならタイマーは必須ではないので、録画データさえあれば記録として認められる可能性があります。
記録の申請を諦めないでください。
この記事は RTAGamers Advent Calendar 2025 の2日目の記事です。
タイマー必須のルールではないことが前提
Speedrun.com のルール
世界的な記録集積サイトである Speedrun.com のモデレータ向けのルールに、特別な理由がないならばタイマーの使用を義務付けてはならないと書かれています。Do not require a timer on a video unless there is a good reason to do so.
(プレイ内容を録画した映像の中にタイマーを付けることを正当な理由もなく要求しないでください)
正当な理由と言うのは、例えば不正行為の防止のためだったり、ロード時間をタイムから除去するロードタイムリムーバが必須のカテゴリだったりです。
ゲームタイトル・カテゴリの個別ルール
Speedrun.com の共通のルールの他に、各ゲームタイトル・各カテゴリ個別のルールがあります。共通のルールではタイマーを義務化してはいけないことになっていますが、個別のルールでタイマーが義務化されている場合があります。
ルールはちゃんと確認しましょう。
ここでのお話は、ルールにタイマー必須とは「書かれていない」ことを前提としています。
どうやって申請すれば良いの?
そのゲームタイトル・カテゴリのルールを確認してタイマー必須とは書かれていないならばタイマーがなくても申請できるので、タイマー操作をミスしてしまった場合はタイマーがない場合と同じだと見なしてしまえば良いのです。
もちろん、計測ミスをしたままのタイムではなく、ちゃんと精査した正しいタイムで申請することが前提です。タイムの虚偽申請は却下理由となり得ます。
一応の保険として、タイマー操作をミスしたこと、タイマー以外の方法でタイムを計測したことを申請時に明示しておくのが良いでしょう。
最終的に判断するのはあくまでモレデーター
タイマー操作ミスを理由に却下されることはあり得ることです。
ルールにタイマー必須と書かれていないのにタイマー操作をミスったことを理由に記録申請を却下された場合、モデレーターさんはルールに書かれていない制限を申請者に課していることになります。
そのような場合にモデレーターさんに対して抗議の声を上げるのは正当な抗議であると思いはしますが、決してけんか腰にならず紳士的なやり取りを心がけましょう。
ルールに不備があったとして新たにルールが追加される場合もあり得ます。
各ゲームタイトルのリーダーボードやルールの管理をしているのはモデレーターさんであり、最終的な決定を下すのはモデレーターさんです。
タイマー操作をミスしてしまった場合に正しいタイムを知る方法
タイムの精査
録画をコマ送りしてタイマースタートからストップまでの正確なフレーム数を数えれば、そのフレーム数と録画の fps からタイムを計算することができます。このような方法でタイムを求める方法を精査と呼びます。
タイマー操作をミスしてしまった場合でも、そもそもタイマーを使っていない場合でも、精査をすれば正しいタイムを知ることができます。
精査に使うツール
web で公開されている専用の計算機ツールを使ったり、一般的な動画編集ソフトを使います。
タイマー計測には計測誤差が含まれる
一般に、タイマーの手動操作による計測には計測誤差という誤差が含まれるため実は正確なタイムとは言えません。
それに対して録画のフレーム数から計算したタイムは最大で録画の fps 分の誤差が生じ得ますが、タイマーを手動操作した場合よりも正確なタイムとなります。
タイマースタートは正しい場合
正しくタイマースタートできているなら、タイマー操作をミスしてもリアルタイムでリカバリが可能な場合があります。最終的にタイマーストップさえ正しければ申請タイムとしては問題ありません。
その場でのタイマー操作のリカバリが難しい場合は、そのまま最後までプレイしきってから精査するのが良いでしょう。
ラップミスの場合
ルールで定められていない限りは申請するタイムはストップ時のタイムのみなので、途中のラップタイミングが間違っていたとしても、タイマーストップさえ正しければ大丈夫です。
タイマーが Livesplit なら、ラップタイミングが早すぎた場合は Undo してから改めてラップしたり、ラップタイミングが遅かったりラップタイミングの修正が難しいような場合は Skip でその区間のラップタイムを記録として残さないようにすれば OK です。
ストップミスの場合
止めるのが遅かった場合は録画を見て正しいストップの瞬間のタイマーの表示タイムを見れば OK です。
止めるのが早かった場合は、タイマーが Livesplit なら Undo すればタイムのカウントが継続している状態になるので、改めてストップすれば OK です。
タイマー操作ミス≠記録消滅
タイマー操作をミスしても動揺しない
ルールに書かれていない限りは、タイマー操作をミスしていても記録として認められる可能性があります。タイマーの操作ミスが、即、記録消滅とはなりません。
このような知識をあらかじめ持っていれば、タイマーの操作ミスに気付いても、焦らず落ち着いて動揺しないでそのままプレイを継続できるようになれると思います。
申請を見送るのもまた一つの判断
タイマーの操作をミスしていても申請できるとは言うものの、タイマーの操作ミスを自覚したことで動揺してしまいプレイングミスが誘発されてしまうこともあります。そのミスが原因でタイムをロスをしてしまうことだってあり得ます。
また、タイマー操作ミスが含まれる動画が記録動画としてずっと残ることでタイマースタート・ストップのタイミングなどのルールをよく理解していない人に誤解を与えてしまうのを防ぐためだったり、モデレーターの手を煩わせるのが心苦しかったり、見栄えの問題だったりと、余計なデメリットが発生しないとも限りません。
あえて申請を諦めるのも一つの判断だと思います。
せっかくの記録が幻の記録となってしまうのはもったいないことですが、申請することによって得られるメリットと、申請することで発生するデメリットを比べて考えて判断しましょう。
まとめ
RTA にはタイマーが必須という認識が広く強くあるように感じていますが、実はルールに書かれていないならばタイマーは必須ではないのです。
- タイマー必須のルールでないなら、タイマー操作ミス≠記録消滅
- 精査をするなど正しいタイムでの申請が必須
- 申請時にタイマー操作ミスしていることを明示すると良い
- 途中のタイマー操作ミスはタイマーの機能でリカバリ可能
- タイマー操作をミスしても動揺しない心を持つ
- 最終的な判断はあくまでモデレーター
以上、タイマー操作をミスしても諦めずに申請すれば記録として認められる可能性があるよというお話でした。
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さて、次はどんな記事でしょうか? お楽しみに!



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