開催概要
国民的RPGの「FINAL FANTASY」。
多くの人がプレイしたことがあるであろう有名タイトルを、週末だけでクリアしてしまうという企画が2月8日(土)7時から開催される。
その名も「第6回FINAL FANTASY RTA 駅伝対決」!
名前の通り今回で6回目の開催になるこの大会は、FINAL FANTASYの中から選ばれた複数作品のRTAを駅伝方式で繋ぎ、どのチームがはやく全作品をクリアできるかを競うという大会である。(大会本部コミュニティより引用)
開催本部:FINAL FANTASY RTA 駅伝対決(ニコニコ生放送)
大会Wiki:FINAL FANTASY RTA 駅伝対決 wiki
開催日時:2020年 2月8日(土)
7:00 開会式
8:00 走者スタート
採用作品紹介
さて今回の大会だが、スーパーファミコンからプレイステーション4まで実に4つのハードで発売された6つのタイトルが採用されている。
時代と共に歩んできた各作品の特徴と、RTAならではの見どころを紹介したい。
第一作品:FINAL FANTASY 4(スーパーファミコン版)
1991年に発売された、FINAL FANTASYのスーパーファミコン参入作品1作目。
アクティブタイムバトル(ATB)が導入されたFINAL FANTASY最初の作品であり、各キャラは一定時間ごとにコマンドを入力して行動を行う。(以降の作品と異なりFINAL FANTASY 4ではATBのゲージが目視できない)
シナリオ上キャラが頻繁に入れ替わるが、各キャラの特性を利用した戦術で攻略を進めていくのがRTAの特徴である。
ボス戦闘のダメージソースは打撃メインなので、見ていてダメージ・テンポが気持ち良い戦闘が多い。
(画像は『FINAL FANTASY IV』より)
ただし、油断するとすぐ全滅まで持っていかれてしまうため、ATBゲージが目視できないFINAL FANTASY 4では行動順把握がより大事となる。
第二作品:FINAL FANTASY 5(スーパーファミコン版)
1992年に発売され、シリーズ初のダブルミリオンを達成した作品。
ジョブアビリティシステムの導入により、入手したジョブにいつでもなることができるのが本作の特徴。RTAでも敵の特性に合わせてジョブを切り替え、固有コマンドを駆使して攻略を進めていく。
RTAの攻略の方針は「戦闘はやられる前にやる」
特に終盤の「次元狭間」のボスラッシュはプレイヤーの緊張感もあり、視聴者側も手に汗握る展開を楽しめる。
第三作品:FINAL FANTASY 6(スーパーファミコン版)
1994年に発売された、シリーズ最後のスーパーファミコンでリリースされた作品。
FINAL FANTASY 6の特徴はやはり10人を超える操作キャラクターの多さ。
RTAでも、攻略チャートを好きなキャラクター中心に組むことができる自由さがあるので、走者がラストバトルに選んだキャラにも注目だ。
(画像は『FINAL FANTASY VI』より)
また、スーパーファミコン作品共通であるが、今回のルールは一部バグ等を制限した駅伝ルールで行われる。
今回から敵に誘惑をする行為も許可となっているので、ガウチャートなどあんまり見ることがなかった攻略法ももしかしたら見れる可能性も・・・
第四作品:FINAL FANTASY 9(Any%JP)(プレイステーション版)
2000年に発売された、プレイステーションで最後にリリースされた作品。
FINAL FANTASYのプレイステーション作品は複数ディスクからなるのが、その膨大なデータ容量による美麗なグラフィックは、スーパーファミコンからのFINAL FANTASYの進化がうかがえる。RTAでは現実時間を測定する都合上、ディスク交換という作業もタイムに影響することため、リアル準備も気が抜けない。(FINAL FANTASY 9では3回のディスク交換が必要)
本作の見どころであるが、主人公のジタンの固有コマンドが「ぬすむ」であることから、開始早々「メイジマッシャー」という武器を敵から盗む運ゲーから始まる。中盤にあるカードバトルも運次第で100%勝てるとは限らなかったり、終盤まで敵とのエンカウント回数も結構ブレるのもあり、今回採用した作品の中では特に運要素が強い。
バトル面では、後半から初見プレイでは使い方がわからなかった人も多かったであろう、スタイナーの「突撃」を使うのが特徴的。うまく使用すれば1ターンで敵のHPを一気に削ることができる強力な技なので、ぜひ当日にその真価を確認してほしい。
第五作品:FINAL FANTASY 12(Any%JP)(プレイステーション2版)
2006年にプレイステーション2用ソフトとして発売された本作であるが、戦闘システムがガラリと様相を変えている。
フィールドと戦闘が一体となったアクティブディメンションバトル(ADB)が採用され、操作していないキャラの行動AIをカスタマイズできるガンビットシステムが新しく登場した。
AIやADBのコマンド待ちを利用したRTAは、今回の採用作品の中では最高峰の難易度。
難所は見ているだけでは伝わりにくい点も多いが、当日は丁寧な解説付きで見ることができるのでぜひとも視聴していただきたい。
第六作品:FINAL FANTASY 15(Console(Base) Any%)(プレイステーション4版・Xbox One版)
2016年に発売されたシリーズ15作目の作品であり、記事執筆時点でナンバリングタイトルの最新作にあたる。
初のアクション作品であり、オープンワールドを自由に移動しながら戦闘をしていくのが特徴。
今回はDLCがない通常版で、バグ等に制限がない「Console(Base) Any%」のカテゴリーである。
バグを積極的に活用していくのが特徴で、中には壁抜けやボスを出現させないバグまである。(下図参照)
(画像は『FINAL FANTASY XV』より)
とある手順を踏んでボスへ向かうことで通常左のように出現するボスが右のように消える
運営へのインタビュー
各作品見どころ盛りだくさんの本大会であるが、運営長であるいぬがくしんさんに大会開催までに至る熱い思いと裏話をインタビューをすることができた。
◎第6回FINAL FANTASY RTA 駅伝対決開催にあたりコンセプトにしたことはありますか?
今回から運営長を務めているのですが、前運営長のたなかてとりすさんからは、「自分はやりたいように大会を変えてきたから、いぬがくしんさんも好きなようにやってみればいいよ」とのお墨付きをもらっていました。
そこでコンセプトとしては二つのことを意識して、第6回大会を開催しようと思っていました。
一つ目に新しい作品を入れたい、
二つ目に大会のコンパクト化ですね。
◎まずは新しい作品を入れたいという点についてお聞きしたいんですが、どういった流れで新しい作品を入れようとなったんでしょうか?
最初はFF駅伝第5回まで採用されていたFINAL FANTASY(以降FF)4~9を大会作品のベースにしようと思っていました。
例えば前回と同じFF4~9と12とかFF4~10とかみたいに純粋に4~9だけでなくプラスでなにか採用したいと考えていて、でもせっかくやるなら今まで採用されてない作品がいいよな~って(笑)
◎なるほど、今までの大会は踏襲しつつ新作品というスパイスで刺激的な大会にしたかったと。
新作品を採用したかったのにはもう一つ強い思いがありまして、大会に採用された作品はいろんな方が見てやってもらえるので、その作品の活性化のチャンスでもあります。
FFRTAは攻略チャートがとても大事である反面、チャートが固まってくると見栄えもあまり変わらないという側面もあるんです。
いろんな方がRTAをやることで新たな発見によりチャートが進化する可能性をより引き出せるのではないかという思いもあり、 いろんなナンバリング作品RTAの魅力も知ってもらい触ってもらうことでFFRTAの界隈全体が活性化してほしいなと。
前運営長から今までのFF駅伝から変わる流れを作ってくれたのもあって、今回は思い切った作品選定ができました。(※1)
※1:たなかてとりすさんが運営長時代の大会ではFF4~9に加えて第4回大会でFF3、FF10が採用され、第5回大会ではFF12が採用されていた。
◎思い切ったといえば、今回の大会は皆勤賞だった作品が選ばれていなかったりしていますね。
これは二つ目のコンセプトである大会のコンパクト化にもつながってくるんですが、 FF4~9を全部やった上に新しい作品を追加しようとすると、どうしてもスケジュールが長くなりすぎてしまうんですよね。
すると長期休暇でしか開催できなくなってしまって・・・。
これはニコニコ生放送をメイン配信サイトで使っている都合もあるんですけど、今っていろいろなRTAの大会が開催されているじゃないですか。
長期の連休は他の大会との兼ね合いもあって、FF4~9を全部入れると開催はしばらく先になってしまいそうだったんです。
RTAの大会が多いのはいいことなんですけどね(笑)
それなら2連休でも無理なく終わるようにして、少しでも開催時期を思い通りに決められるようにしました。
PS作品は長い作品が多いのでそこをどうにかする必要があったんですが、 結果的には今まで採用されてきたFF4~9の伝統を1回崩してもその伝統が消えてなくなるわけでもないので、一部作品はお休みしていただきました。
◎スケジュールが限られている中で作品を厳選したとなると、運営内での作品選び会議は難航したんじゃないですか?
実は運営内でも保守派と改革派は半々ぐらいだったんです。
前回から運営がごろっと変わる中で、FF以外にもいろいろなRTAを経験している人にも声をかけて、会議内でもいろんな意見を出してもらいました。
作品が大会を決めるといっても過言ではないと思ってますので、作品決めはすごい熱量をもってやってたと思います。
結果的に運営みんなが納得する形で今回の形に落ち着いたんですけど、開催の告知までは心配でしょうがなかったというのが本音です。
◎そんな中、今回新作品として採用されたのはFF15だったわけですが、採用に至った決め手はどこだったんですか?
様々な流れが15の追い風になっていたという感じですね。
元々自分もFF15のRTAをやっていて、FF駅伝に採用してやろうと思ってニコ生で通しながら走者を増やすために布教活動をしてたんです(笑)
そんな中第5回FF駅伝の運営の話が舞い込んできて運営になったのですが、正直FF駅伝に採用するには走者、解説の確保はまだ厳しいかなって印象だったんです。
悶々としていたタイミングでニコ生マザシさん(※2)から声がかかって、第2回ニコ生マザーシップタイトルRTAリレーにFF15を採用したいので運営になっていただけないかと。もちろん快諾しました(笑)
ニコ生マザシ本番ではFF15は予想以上に盛り上がり、これはいけるんじゃないかと。
もうひとつは元号ですね(笑) 令和が発表されたときにFF15の名言(※3)と絡めてすごい界隈が盛り上がったので、これは採用するしかないなって。
(画像は『FINAL FANTASY XV』より)
※2:多種多様なRTAイベントを運営するためのコミュニティ
ニコニコ生放送:マザーシップタイトルRTAリレー
※3:主人公ノクトのセリフ「やっぱつれぇわ」
新元号「令和」の発表をうけ、セリフをもじった「やっぱつ令和」が界隈で流行した。
◎話題性が他の作品に差をつけたところだったんですかね。
そうですね。
あとは、まだ採用するには走者と解説が集まるのか?という側面から見送ったものや、それぞれ1回ずつ採用されていたFF10やFF12という案もありました。
FF10はコンパクトというコンセプトからずれちゃうのがネックになって採用には至りませんでした。
FF12に関しては、前回のアンケートで走者として走ってみたいという人、リスナーとして見たいという人が多かったんです。
それなら今回もいけるんじゃないかと。
FF10も走者人気があるのでいつかまた採用したいなぁと思いますし、 採用されていないナンバリングタイトルもいつか大会に入れていきたいと思っていますね。
◎結果的には新作品のFF15はすぐに募集人数が埋まったりと読み通りの結果でしたね。走者も新たに参入している方が多い印象です。
ありがたい限りです。
今回の大会は、FFのRTAは初めてという方がいたり、さらに言うとRTA初心者の走者がいたりとフレッシュな顔ぶれがそろっています。
FF12では海外からプレイヤーが参加してくれたりと、こうなったらいいなという思いが形になってくれました。
実はプレイステーション以降のFF作品は海外でRTAが活発に行われていて、その層を狙ってTwitchからの参加もOKとした経緯があります。
最近ではFF15で海外勢がたまたま発生させたバグを日本のFF15プレイヤーが解析したところ、完全にバグを再現できるようになったなんてこともありました。
◎最後にここまで読んでくれた方々にメッセージがあればお願いします。
今回のFF駅伝の魅力は新旧のFFが見れるところだと思います。
スーパーファミコンのドットから、プレイステーションのポリゴンになり、プレイステーション4のCG、
FFの進化の過程と歴史の積み重ねを2日で追えてしまう素晴らしい大会です!
同じシリーズタイトルなのにシステムがごろっと変わるのも魅力のひとつです。
はじめてFFRTAに参入する走者も多いので、今までFFRTA駅伝を見ていた人も新鮮な気持ちで見れるかと思います。
ぜひFF駅伝を見ていただいて、走者を応援していただければと思います。
◎いぬがくしんさんありがとうございました。
第6回FINAL FANTASY RTA 駅伝対決は2月8日(土)7時から
FINAL FANTASY RTA 駅伝対決(ニコニコ生放送)
にて開催される。
おもにドラゴンクエスト、ファイナルファンタジーのRTA情報を発信していきます。
オフラインイベントにもよく顔を出しているので、記事執筆はお気軽に御声掛けください。
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