カードゲームだと、何時から錯覚していた?
出典: Inscryption ゲーム画面より
前回の記事では、トーテムを制御し強力なカードを展開して1ターンキルを狙いました。しかし、今回からはカードゲームをまともに行いません。相手が繰り出すカードがわかっているので、まるでパズルを解くかの様にパターン化を図り、そして成功してしまいました。
そもそもこのゲームを制作したDaniel Mullins Gamesの作品では、プレイ途中でゲームジャンルが変わってしまう場面が多々あります。開発自体がそういう作風なので、RTAでも内容に合わせて視点や考え方を切り替えていきます。
Part 2攻略は、仕様のスキマを突いた搦め手で
今回はオリジナルのInscryptionをプレイする、所謂Part 2について解説していきます。前述した通りプレイングのパターン化とそのセットアップを行っていきます。が、カードゲームらしさは一切残っていないので攻略の参考にしないでください。
基本的なデッキ構成と考え方
出典: Inscryption ゲーム画面より
Part 2はPart 1と同様に、1ターンキルを狙っていきます。ただ、Part 1と違ってマップの各所に商人が滞在しているので、Part 1よりもデッキ構成を自由に行う事が可能です。商人からは、プレミアム/Foilを通貨にして特定のカードを購入する事が出来ますが、販売されるカードのラインナップは固定なので、RTA的には調整しやすくとても都合が良いのです。
商人を利用して、これから作るデッキ構成は以下の通りです。
- 血のコストが1以上ある、獣のスクライブのカード
- コスト0のカード×19
このゲームを遊んだことのある方なら、カードゲームを遊んだことのある方なら、一目で事故しか起きないデッキだと思われるでしょう。しかしこの構成だと、1枚しかないコスト有りカードが必ず手札に配られる事が確認されています。おそらくゲームを成立させるための仕様なのでしょうが、これを逆手にとってフィニッシャーを初手から配られる様に仕向けます。本当に、この仕組みを発見したプレイヤーには頭が上がりません。
レシーの領域手前の船着き場でクローバー/Clover(マリガン)を回収すれば、後は攻撃力のある獣のスクライブのカードを選び、それを手に入れるためのプレミアム/Foilを稼ぐだけです。
必要なプレミアムを手に入れる
骨の山/Bone Heap
×0
0/1有効化:骨を2消費して、骨の山の攻撃力と体力を1増やす。
出典: Inscryption Wikiより
墓堀人/Gravedigger
×1
0/3所有者のターン終了時に、墓堀人は骨を1つ作りだす。
出典: Inscryption Wikiより
まずはプレミアム/Foilを稼ぐためのコンボを、以上2つのカードで行います。そのための初期デッキは死のスクライブを選択して、以下の手順でプレミアム/Foilを19個確保します。
- 墓堀人/Gravediggerで、骨を40個稼ぐ
- 骨を消費して、ステータスを強化した骨の山/Bone Heapで攻撃する
骨の山/Bone Heapは初期デッキに含まれていないレアカードなので、グリモラの領域でカードパックを開封するか商人から購入する必要があります。
ソウヤー・ペタル戦
出典: Inscryption ゲーム画面より
カードパックから骨の山/Bone Heapを入手できなかった場合、リカバリーとしてソウヤー・ペタルと戦ってプレミアム/Foilを4個稼ぎ、グリモラの商人から購入します。
ここで大事なのが、相手のボーンハウンド/Bonehoundを制御してレヴナント/Revenantが場に出る事を防いでいく点です。死のスクライブデッキは、支払うコストである骨を集めるまでカードが潤沢に出せません。コスト0のガイコツ/Skeletonを展開してボーンハウンド/Bonehoundにダメージを与えつつ、レヴナント/Revenantの攻撃を防ぐカードを展開するだけの骨を貯めていく必要があります。Part 2では多くの場合で初戦になりますが、手札運に振り回されやすい一番難しい場面でもあります。
ケイシー・ホブス戦
出典: Inscryption ゲーム画面より
キーカードが揃っている場合、ケイシー・ホブスと戦いプレミアム/Foilを19個稼ぎます。
ソウヤー・ペタル戦と同様に相手の攻撃を耐えつつ、墓堀人/Gravediggerを可能な限り展開して骨を40個分貯めていきます。事前に骨の山/Bone Heapでスコア差を4に調整した後に、残りの骨をつぎ込んで骨の山/Bone Heapのステータスを20/21にして攻撃します。ドローカードに若干の運が絡みますが、頭を悩ませるカードバトルとしては実質最後になるので噛みしめてプレイしましょう。
ウロボロスデッキの構築
仕込みは上々、グリモラの領域からは一旦離脱してレシーの領域に居る商人へ向かいます。この商人から必要なカードを購入して、以下の様なデッキを作成します。
キーカードは次の2枚です。
ウロボロス/Ouroboros
×2
1/1ウロボロスが死ぬと、コピーが1枚手札に生み出される。
(ウロボロスが死ぬと、攻撃力と体力が1ずつ永続的に増加する)出典: Inscryption Wikiより
ガイコツ/Skeleton
×0
1/1攻撃後、ガイコツは死ぬ。
出典: Inscryption Wikiより
フィニッシャーとしてウロボロス/Ouroborosを使います。展開しているカードが破壊されるグリモラ戦を考慮して、レシーの配下とのカードバトルでステータスを4/4まで育てていき、ガイコツ/Skeletonと一緒に攻撃してダメージ5を狙います。
配られる手札にガイコツ/Skeletonが無い場合はマリガンを行う必要がありますが、そのマリガンを含めても最低でも1枚のガイコツ/Skeletonが配られる可能性は約95%なのでまず大丈夫です。もちろん、事故の可能性はありますがその場合は泣きながら降伏してください。
実際のデッキ運用例
デッキさえ構築できれば、これ以降のカードバトルは決まったカードを決まった手順で場に出すだけです。注意する点として、余剰ダメージは一切与えずきっちりスコア差が5点になる様にダメージを与える事です。デッキ構築前はプレミアム/Foil獲得のためにダメージ調整を行いましたが、この獲得演出そのものはそこそこ時間がかかるので、RTA的に時間を考慮してなるべく演出が発生しない様にダメージ調整をしていきます。
探鉱者戦
出典: Inscryption ゲーム画面より
- 手札にガイコツ/Skeletonが1枚ある事を確認、無ければマリガン
- 相手のリス/Squirrelと同じ列にウロボロス/Ouroborosを展開、そのまま攻撃
- ウロボロス/Ouroborosをハンマーで破壊しターン終了
- 手札が6枚になるまでターンを飛ばす
- ウロボロス/Ouroborosを展開・破壊を繰り返してステータスを3/3まで育成後、ウロボロス/Ouroborosとガイコツ/Skeletonで止めを刺す
相手のリス/Squirrelとこちらのウロボロス/Ouroborosを並べる事で、次のターンに予告されるブラッドハウンド/Bloodhoundをリス/Squirrelで止めるのがポイントです。これにより、以降に相手から予告されるカードがランダムなのに関わらず必ず同じ手順で探鉱者に勝つ事が出来ます。
釣り人戦
出典: Inscryption ゲーム画面より
- 一番左の列以外にウロボロス/Ouroborosを展開する
- ウロボロス/Ouroborosをハンマーで破壊後、ステータスが4/4に成長したウロボロス/Ouroborosで止めを刺す
相手が展開するサケ/Salmonと同じ列、つまり一番左にウロボロス/Ouroborosを展開しなければ問題ありません。あえてサケ/Salmonに攻撃されることで、プレミアム/Foil獲得の演出を発生させない様にダメージ調整を図っています。
罠猟師戦
出典: Inscryption ゲーム画面より
- 手札にガイコツ/Skeletonが1枚ある事を確認、無ければマリガン
- ウロボロス/Ouroborosとガイコツ/Skeletonで止めを刺す
グリモラを撃破するまでは、この必勝パターンで1ターンキルを狙います。
レシー戦
出典: Inscryption ゲーム画面より
- 手札にガイコツ/Skeletonが1枚ある事を確認、無ければマリガン
- 右から2番目にウロボロス/Ouroborosを、その左隣にガイコツ/Skeletonを配置して攻撃
- 生成されたアマルガム/Amalgamを、空いた全ての列に展開して攻撃
- グリズリー/Grizzlyの前に壁となるカードを置いて、ターン終了
- ウロボロス/Ouroborosとアマルガム/Amalgamで止めを刺す
ポイントは、初手でガイコツ/Skeletonを自壊させる点です。それまでの場に展開されたカードを基にアマルガム/Amalgamが生成されるので、これで第二段階移行時にコスト0・1/1のアマルガム/Amalgamが手札に4枚配られます。最後に、手順4でダメージ調整を行いプレミアム/Foil獲得の演出をカットします。
スクライブの攻略順について
ここまでの手順は全て、以下の順番で攻略する事を前提に話を進めてきました。
- レシー
- グリモラ
- マグニフィカス
- P03
グリモラの領域ではウロボロス/Ouroborosとガイコツ/Skeletonで、その後のマグニフィカスとP03の領域では5/5に成長したウロボロス/Ouroborosで1ターンキルを行っていきます。
しかし、別の順番で攻略する事も考慮されるべきです。
- レシー
- マグニフィカス
- P03
- グリモラ
マグニフィカスを2番目に攻略するのが一番の目的で、これは2回目以降のスクライブ打倒後に動画パートが差し込まれる事に起因します。マグニフィカス戦後に動画パートを差し込むと、演出終了後のカードパックの開封がまるまるスキップ出来るグリッチが知られているからです。
この場合、そこそこ長いプレミアム/Foil獲得の演出を最低でも2回は行わければなりません。どちらの演出をカットした方が早いのか……まだ細かいテクニックで時間短縮を図るまでチャートが練りこまれておらず、ここには議論と検証の余地があります。
レシー戦の別解法
出典: Inscryption ゲーム画面より
- 手札にガイコツ/Skeletonが1枚ある事を確認、無ければマリガン
- 右から2番目にウロボロス/Ouroborosを、その左隣にガイコツ/Skeletonを配置して攻撃
- 生成されたアマルガム/Amalgamを、空いた全ての列に展開して攻撃
- ウロボロス/Ouroborosをハンマーで破壊、改めて一番右に展開
- モールマン/Mole Manの前にアマルガム/Amalgamを配置、5/5のウロボロス/Ouroborosで止めを刺す
もう一つの攻略順を採用する場合、ウロボロス/Ouroborosを5/5まで育てるためにレシー戦での手順を変える必要があります。モールマン/Mole Manに攻撃を邪魔されない様に、手順4・5でウロボロス/Ouroborosとアマルガム/Amalgamの場所を入れ替える形をとります。この時、一番右のアマルガム/Amalgamをコストに捧げる事で列を空けておきます。
なんのゲームでしたっけ、これ
Part 2では、仕様のスキマを突いて1ターンキルを狙いました。これでも十分にゲームが成り立たなくなってしまいましたが、Part 3ではもう少し踏み込んでグリッチを利用してカードバトルそのものをスキップしていきます。合わせて、グリッチが発見されるまで採用されていた旧チャートも紹介していきます。
RTAとして段階的にゲームを壊されていく、Inscryptionの次回をお楽しみに。
© 2021 Daniel Mullins Games.
© 2021 Devolver Digital.
Shoutcast時代から約20年ぐらい、配信を趣味にしている人。
最古参配信コミュニティの一つ、限界集落なんでも実況Vの民。
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