はじめに
毎週定例記事として公開していく『世界記録紹介』のコーナーです。
本日は『ぷよぷよBOX』のWR記録(世界記録)について紹介します。
WR記録 | 0:35:42 |
プレイヤー | もか |
動画 | YouTube / Twitch |
ぷよぷよBOXとは
『ぷよぷよBOX』は2000年12月21日に株式会社コンパイルから発売されたPS1用のゲームソフトです。
ぷよぷよ自体が相当有名なのでゲーム紹介は簡略化させていただきますが、『ぷよぷよBOX』は2つが1組となってランダムに落ちてくる“ぷよ”の色を4つ揃えて消していく、いわゆる“落ち物パズル”のゲームとなっています。
従来のぷよぷよのRTAですとぷよを連続して消す“連鎖”を素早く作り、大連鎖を決めることでCPUから早く勝利することが重要となってきます。
しかし、『ぷよぷよBOX』では連鎖も重要ですが、どのようにプレイするかという戦略が最も重要だと言っても過言ではありません。
このぷよぷよBOXですが、たまたま筆者がRTAの世界記録を持っているため、今回はそのぷよぷよBOXのRTAについて紹介していきます。
クエストモードについて
『ぷよぷよBOX』のRTAのカテゴリは“Quest Mode”というものしかありません。
これはゲーム内に存在しているおまけRPGをクリアするまでを競うカテゴリとなっています。パズルがメインではありません。
おまけRPGの内容は6つのコインを集めて最後のボスを倒すもので、敵と遭遇してしまったときの時間のロス、さらに購入すべき装備品やアイテムの選別など、パズルゲームというよりはRPGならではの限られたリソースの取捨選択やランダムに発生する事柄に対する状況判断が重要となるRTAです。
このように大筋はRPGですが、メインはぷよぷよですので敵との戦闘はすべてぷよぷよで勝負するようになっています。
このRTAの何が見どころなのか、解説を始めていきます。
キャラクターの移動
『ぷよぷよBOX』はSFC時代のドラゴンクエストのように街とダンジョンとワールドマップが分かれていてそれぞれ移動するゲームとなっていますが、この移動方法にクセがあります。
走るモーションがないためどう動いても移動速度は変わらないのですが、マップのオブジェクトの端を通るときだけ移動速度が加速するという仕様があるからです。
RTAでは画像のように常にオブジェクトの先端を狙って操作するようにし、加速によって少しでも時短を目指して進んでいきます。
購入品の取捨選択
クエストモードはオーソドックスなRPGなのでショップでアイテムを買うことができます。
このアイテムの購入ですが、雑魚敵とのランダムエンカウントを無くしてしまう“みかくしのこな”の購入が最重要です。
プレイ開始数分でみかくしのこなを売っているショップまで辿り着けるため、最初のショップ以後はみかくしのこなをフル活用してランダムエンカウントを一切無くして進んでいきます。
また、ダンジョンから脱出する“だっしゅつの本”、街単位でワープできる“ひとっとびの本”など、移動の時短に繋がるアイテムも購入していって少しでも歩く時間を少なくします。
ちなみにアイテムを買うのに必要なお金ですが、宝箱から拾うのではなく敵を倒して入手するのが一番手っ取り早いです。
特にお金を多く持っている敵がボスモンスターです。
敵との戦闘時間が短ければ短いほどお金を多く入手できる仕様となっていますが、RTAを進める上で必要となる金額に届かせるための撃破速度はそこまで厳しいものではないため、ボス戦を順当にこなしていけばRTA中でお金が足りなくなる場面は基本的にありません。
装備品について
クエストモードでは装備品によって主人公を強化することができます。
ゲーム開始時点では2,3連鎖という小さい連鎖ではまったく敵に効果がなく、大連鎖を敵にぶつけないと勝つことが難しい状態です。
さらに次の次に降ってくるぷよのツモが見られない、敵の連鎖に対して受ける術がない(相殺がない)、ぷよの横にスペースがないとぷよを回転できない(クイックターンがない)など、ルールの上でも不利な戦いを強いられます。
これらは装備品を買うことで対処できますが、RTAにおいては物語序盤は“かんたんリング”という降ってくるぷよの色数を3色にするものを買って連鎖を作りやすくすることでルール上の不利を補います。
後半は所持金に応じて購入物を変更しますが、攻撃力を上げたり次の次のツモが見られるようにするルールが得られる装備品を買ったりすることが多いです。最悪買わなくても何とかなるので買い物は序盤だけにして後半はショップをスルーするのも有りでしょう。
実は購入すべき装備品は自身のぷよぷよの腕前によってそれぞれ異なってきます。
私は購入物を最低限にしてぷよぷよのほうは不利なルールで頑張るという戦略を取っていますが、購入すべき装備品が何であるかはそれぞれのプレイヤーの持ち味が出る部分ではないでしょうか。
ランダムエンカウント
ランダムエンカウントが一番タイムに影響する要素です。
街以外の場所(ワールドマップやダンジョン)では一定数歩くと敵とエンカウントするようになっています。このエンカウントは本当にランダムなので、速いタイムを狙う上ではいい運を引けるよう祈るしか対処法がないです。
敵と戦闘になっても逃走することができるため、逃走を選択することで余計な時間を使わないようにはできます。
ちなみに逃走に失敗すると強制的に戦闘に入ってしまいます。
もしそうなってしまったらぷよをひたすら落下させて負けることで戦闘を終わらせ、時間のロスを最小限にします。
ちなみに3回負けるとゲームオーバーとなるため、2回までしか逃走失敗は許されません。
最初のボスに勝利した後にハートを入手するとライフがひとつ増えるので3回まで逃走失敗が許されるようになりますが、逃走失敗自体が時間のロスなのでやはりエンカウントしない運を引けることが最重要となっています。本当にここだけはただの運です。
パズル部分について
ぷよぷよの肝となるパズル部分ですが、どのような状態からでも5連鎖を組むことができる程度の腕前が必要です。
従来のぷよぷよですと2連鎖、3連鎖、4連鎖と連鎖が大きくなるたびに相手に送るおじゃまぷよも増えてきて、5連鎖だと致死量のおじゃまぷよを送ることができるのでそれだけで勝つことができます。
これがクエストモードの場合だと連鎖によるおじゃまぷよの送られ方が異なっており、初期状態ではパラメータが貧弱なので1~4連鎖は相手におじゃまぷよがほとんど飛んでいきません(4連鎖でおじゃまぷよ10個とかそれくらい)。
そのため4連鎖以下の連鎖はただの時間のロスであり、どのような状態からでも5連鎖以上を組むことが必須条件となっています。安定を狙うなら6連鎖してもいいくらいで、私は6連鎖を狙っています。
ちなみに、キャラクターが育ってくる終盤になると4連鎖でもそこそこのおじゃまぷよを相手に送れるようになっていますが、見極めが難しいのでやはり常に5連鎖以上を狙うよう立ち回ったほうがいいです。
その他の留意点
RTAに関わるテクニックや留意点はこれまで挙げたようなものです。
道中のダンジョンの攻略順序や謎解きなどは誰がやっても同じになるもので、TASですらRTAと同じように進めているため今後も変わることはないでしょう。
ランダムエンカウントなどの運要素に耐えられる根気があってぷよぷよがある程度上手な方なら誰でも世界記録を狙えるゲームだと思っています。
まとめ
実はこのぷよぷよBOXのRTAは『RTA in Japan 2019』で行われる予定でしたが、時間が押していたためキャンセルされたゲームでもあります。
RTAイベントでお披露目できる機会は今後なかなか訪れないかもしれませんが、やってみるとなかなか楽しいゲームなのでイベントを待つことなく是非皆さん自身の手でプレイしてみてください。
普段はなりたい私にミラーインしてます。
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