昨年12月27日から12月31日の5日間にわたって行われた「RTA in Japan 2019」
今回はこのイベントで「スーパーマリオサンシャイン」を走ったお二人に話を伺いました。
トーボウさん(写真左)
SMSのRTA黎明期を支え、今までに18回Any%の世界記録を更新しているトッププレイヤー。※1
Twitter: https://twitter.com/toobou/
ヤマたさん(写真右)
高い基礎動作を持ち、今までに3回Any%の世界記録を更新しているトッププレイヤー。※1
Twitter: https://twitter.com/Yamata0921
※1 参考 https://www.speedrun.com/sms/guide/8c1vn
ーーよろしくお願いします。まず、RTAを始めたきっかけを教えてください。
トーボウさん:
最初はマリオ64のRTA動画を見てRTAというものに興味を持ちました。
その直後にニコニコ生放送が始まり、30分以内に終わるということで多くの配信者がマリオ64のRTAをしていました。
自分もやってみたかったんですが、マリオ64のRTAというものが神格化されていて、「とても自分がやれるものじゃないな」と諦めていました。
そんな時にサンシャインのTAS動画が投稿されました。その動画を見て、「これならできるんじゃないかな」と思って2010年の末に始めました。
ヤマたさん:
私もマリオ64からですね。ある仲のいい4人の配信者をよく見ていました。
そこでRTAという遊び方を知って、面白いなと思ってたんですが、マリオ64はできる気がしないと思っていました。
ただ、サンシャインは子供のころから、「偽マリオと対決してみたい」とか「偽マリオ役をして逃げてみたい」とか「上手なプレイをしてみたい」というのを思っていたので、ちょうどいいなと思いました。
トーボウが自分より1年早く始めていたので、その配信をみたりしていて高校卒業した2011年に始めました。
ーーお二人とも長くSMSのRTAをされているということで、始めた当時と今で大きく変わった部分はありますか?
ヤマたさん:
昔と比べると、ほぼ全部と言っていいくらいルートが違いますね。
トーボウさん:
ルートはそう、全く違う。
今はエンタメっていうよりも、eスポーツのように競技性が強くなっている気がしますね。
昔は放送を盛り上げる企画の1つで、エンタメ性が強いものだった気がするんですよね。サンシャインに限らず色々なゲームでRTAはそういうものでした。
いつの間にか、とにかくコンマ数秒を争うような感じになったなぁと。
ヤマたさん:
俺が2012年とか2013年に”超攻めルート”という感じで、とてもRTAの通しではできないだろうという難易度のレベルの技やルートを使った動画を出していたんですが、今はそれよりも難しいルートを当たり前にやっていますね。
ルートがどんどん詰まっていて、今は細かく検証を重ねたものになっていますね。
トーボウさん:
前まではどこでダイブ※2を出すとかその程度でしたが、今はどういうダイブ復帰※3を出すかやどう慣性を残すかとか、そのレベルで詰まってきているので基礎動作から全然違いますね。
※2 ジャンプ中もしくは移動中にBボタンを押すとできるアクション。説明書ではボディアタックやヘッドスライディングと書かれている
※3 ダイブ中にAボタンを押すとできるアクション。説明書では前転幅跳びと書かれている。
ヤマたさん:
ただまっすぐ進むだけでも違って、地面を水で濡らして滑っていくという部分だけでも違う。
ーー国内だとお二人で記録を争いあっているイメージがあるんですが、お互いに意識していましたか?
お二人:
そりゃもうバリバリしていましたね(笑)
ヤマたさん:
抜かれようもんなら抜き返すしかないと思ってました。
トーボウさん:
放送を見ていると、良くないかもしれないけど「ミスれー!」って思っちゃう頃もありましたね。
最近はちょっと海外勢が強いので、チーム感がありますけど昔はね(笑)。
ヤマたさん:
お互いに記録を出しても安心してやめないだろうなという人だったのでね。今はもうそこまでではないですが、当時はRTAをやめる気がしなかったので。
トーボウさん:
記録を出してもどうせすぐ抜かれるんだろうなって思ってました。
ーーRTA in Japanの舞台で走った感想を聞かせてください。
トーボウさん:
楽しかったなぁと、月並みな感想ですが、それにつきますね。
出来なかった技もありますが、そこも含めて面白かったなと思います。
ヤマたさん:
みんなで見ながら、喋りながら、それを多くの人に見てもらう。それがこの場でしかできないので、何やってもコメントが来るからこっちも盛り上げたいなという思いで、すごく楽しくできました。
トーボウさん:
やっぱりリアルの反応はいいね。
ーー自分の走りを振り返って、ここを見てほしい!という点があったら教えてください。
トーボウさん:
うーんどこだろう…ウナギかな、あれは完ぺきに決まってました。
でもリコの2※4かな、リコの2は上級者じゃないとわからないと思うんですが、めちゃくちゃ速かったんですよ。
※4 リコハーバーのSTORY2 GO!GO!イカサーフィン
あそこはゲーム内にタイマーがあるので分かりやすいんですけど、18秒を切ったらすごい速いと言われていて、18秒前半でまぁいいじゃんと言われる感じなんですね。
そこで今回17秒48がでたんですよ。
ヤマたさん:
めっちゃ早いじゃん!そうなの、1秒くらい早いじゃん。
トーボウさん:
イカに乗らない茶番をしていたので、邪魔しちゃまずいと思ってたんですが、内心「うおおおお!」って叫んでました(笑)。
しかも、シャインのちょうど真下に行けたので、あそこは完ぺきでしたね。多分今までで一番早いタイムがでていました。
ヤマたさん:
俺は多分ピンナの6※5、大技をやった後の秘密の中。
大技に注目していて内部はあまり見られてなかったと思うんですが、誰もやっていないとは言わないまでも、ほとんどやる人がいない速いやり方をやっていたんですね。
これも上級者じゃないとわからないと思うんですが、ただ真ん中を通るというだけでなくヒップドロップをしない、止まることなく進むことで1秒短縮していました。
※5 ピンナパークのSTORY6 ヨッシーゴーランドのヒミツ
トーボウさん:
あれはなかなか難しいけど決めたのかぁ…
ーー最後に見てくださった方々に一言お願いします。
トーボウさん:
会場では拍手や歓声すごくてヘッドホンを越しでも聞こえるくらいでした。
コメントもたくさんあって、それを読み上げるだけでも笑いが起こった場面もあったので、普段の配信を見ている方が盛り上げてくれてたのかなと嬉しかったです。
ありがとうございました。
ヤマたさん:
会場のみんなに盛り上げていただいて、そのおかげでとてもやりやすかったので、とても感謝しています。
ありがとうございました。
トーボウさんは2月22日から行われるゲームキューブRTAリレーにも「スーパーマリオサンシャイン」で参加するそうです。
今回走った”Any%”ではなく”120枚”での参加となるので、一味違った走りが見られると思います。ぜひご覧ください!
[編集・撮影・取材 HiST]
「名古屋RTA Meeting」主催
最近は、プレイヤーより解説や運営に携わることが多いです。
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