これを読めば2分50秒切りも夢じゃない!Refunct Any%テクニック解説

3Dアクションゲーム

Refunctとは?

Refunctは、2015年にDominique Grieshofer氏によって製作された、一人称視点のパルクールゲームです。内容としては、「海上に浮かぶ足場を駆け抜けて次々と出現するスイッチを順番に押していく」という単純なものですが、プレイヤーが気持ちよくプレイできることを第一に考えられています。

クリアを阻む敵や障害物は存在せず、ゲームオーバーもありません。ストレス要素をすべて排除し、プレイヤーへの癒しを与えるべく作られたゲームとなっています。

RTAinJapan2019でもプレイされており、気になった方はそちらも見ていただくとより深くこの記事の内容を理解できると思います。

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Refunct Any%について

Any%は、とにかく早くゴールするというカテゴリです。次々とスイッチを押して最後に出現する黄色いスイッチを押すとゴールとなります。

その内容は「基礎動作の無駄を極限まで無くす」というものとなっており、0.01秒を縮めるために「慣性ジャンプを利用したショートカット」「最短距離を進むためのシビアなルート」「仕様を活かしたタイム短縮技」等、様々な工夫、テクニックが考案されています。

今回はその中でも、成功すれば0.5秒以上縮めることができる大技に焦点を当てて解説をしていきます。

Crouch Grabs

1つ目のテクニック、Crouch Grabs(技名は海外勢考案)。

このゲームは、スペースキーを押したままにして足場に近づくと、多少高さや距離が足りずとも掴み動作をしてくれるので、簡単に登ることが可能です。しかし、この掴み動作が出るとモーション中は少し減速してしまいます。

そこでしゃがみボタン(デフォルトではシフトキー)を押すことによって、そのモーションが短縮され、素早く登り切ることができるようになります。

やり方としては非常にシンプルで、

ジャンプ → しゃがみボタンホールド → 掴み動作発生 → 完全に登りきる前にしゃがみボタンのホールドを解除 となっています。

この技を1回成功させればおよそ0.05秒~0.06秒ほどの短縮につながります。「0.5秒の短縮じゃないじゃん」と思われた方もいるかもしれませんが、この技は1番目と2番目のスイッチを除いた全ての場所で使用可能です。1回の走りにつき15~16回使用する機会があるため、すべて成功させれば約0.8秒の短縮につながります。

Fast 9 & Dive Skip

2つ目のテクニック、Fast 9 & Dive Skip

2つ目にして今回紹介する技の中では安定させることが一番難しい(個人差あり)技です。

使用する場面は9番目のスイッチから10番目のスイッチにかけてです。何が起きているかわかりづらいため、順を追って解説していきます。

① 8番目のスイッチを押した後、ジャンプボタンを押しっぱなしにしたままリフトに直進する

ジャンプボタンを押しっぱなしにするのは、リフトに乗った時にジャンプの暴発を防ぐためとその後に掴み動作を発生させなければならないためです。

② リフトに乗った後、登り切るのを待たずにまっすぐ突っ切りリフトの外へ飛び出す

この時に右の壁に近づきすぎず、離れすぎずの距離を維持しましょう。私は画像の矢印で示したルートを通るようにしています。

③ 飛び出た瞬間に右方向(Dキー)入力+視点を右に大きく移動

この時もスペースキーから指は離さないようにしましょう。リフトの上昇による慣性が残っているため、これで直接スイッチに飛びます。あとは掴み動作が発生すれば自動的にスイッチを押してくれるはずです。

④ スイッチを押した瞬間にすぐさまUターンし、画像の黄色い点を目指して飛び込む

飛び込んだ時は左入力(Aキー)を押して左へ寄るようにするといいです。しかしせりあがってくる足場に近すぎても遠すぎても上手くいかないため、適切な位置に飛び込むことが何よりも大切です。また、次の手順につなげるため、この時からシフトキーを入力しておきましょう

⑤ 着水後に一瞬だけシフトキーを入力して、すぐにジャンプボタンを長押し

こうすることで水中にあるスイッチの上に立つことができるので、スイッチが地上に出た瞬間に押せます。また、足場がせりあがってくるのを待っているよりもはるかに前に進むことが可能です。

この技を使用することによって、9番目のスイッチは本来なら、

リフトがせりあがってくるまで待つ → 完全に登りきる → スイッチを押すために移動 → スイッチを押す という流れですが、リフトの慣性を利用して外からスイッチに直接飛ぶことで速く登ることが可能になります。

Forbidden Pipe Jump(FPJ)

3つ目のテクニック、Forbidden Pipe Jump。(略称:FPJ)

使用する場所は10番目のスイッチです。本来なら水中からパイプを通ることでたどり着ける足場ですが、かなりギリギリのタイミングでジャンプをすることで水中を経由せずに乗ることが可能です。

図に示してみましたが、内容としては単純に、

パイプの上から落下寸前のタイミングでジャンプ → 最短距離を通ってパイプの掴み判定に飛ぶ → 掴み判定に触れる直前に視点をわずかに右にずらす(この時にCrouch Grabsを使用するとさらに短縮可能) → 足場に乗る という流れです。

Refunctの水中移動は、地上の移動と比べて非常に速度が落ちるので、水に落ちないという点だけでもかなりの短縮になります。タイミングを掴むまでが難しいですが、これができるだけで1秒以上の短縮になります。

FPJは単体で見れば決して成功率が低い技ではありません。しかし、前述のFast 9 & Dive Skipの直後にこの技を成功させる必要があり、2つセットで挑戦したときの難易度はRefunctのRTAの中でもトップクラスに難しいものとなっています。

また、FPJと比べると遅くはなりますが、難易度が低いPipe Jumpという技もあります。

この技はFPJが考案される前まで使用されていました。こちらの技は、パイプと水の接している部分に存在する足場判定を利用した技となっています。

とても足場が存在するようには見えませんが、何故か見えない足場があるのでそこに一度ジャンプで飛び移ってから登る技です。何も考えずに前進キーだけを押してパイプに飛び移ってみましょう。しゃがみもジャンプも入力する必要はありません。意外と簡単に乗れます。

13 Corner Jump

4つ目のテクニック、13 Corner Jump

使用する場所は13番目のスイッチです。壁キックによって外からスイッチのある足場に飛び移る技です。本来は右に連続壁キックができる場所があるので、そこから渡っていく場所ですが、この技を使ってショートカットすることができます。意外と簡単な部類に入る技ですが、とあるコツを理解するまで苦戦する技でもあります。

図に実際に通っているルートを示しました。黄色いマークの箇所が壁キックをする場所です。ポイントとして、①1回目の壁キック後の視点の向き ②2回目の壁キックをする位置 があります。

についてですが、1回目の壁キック時に視点を隣の壁と平行になるようにしましょう。このゲームの壁キックの仕様を説明すると長くなるため割愛しますが、平行にすることで壁に沿ったまま飛ぶことができます。また、この時に右入力を入れっぱなしにするのを忘れないようにしましょう。このテクニックが完了するまで右入力は忘れずに。

ですが、このテクニックで目指す場所は右奥のスイッチです。しかし、2回目の壁キックをする際、1回目の壁キックで飛んだところと同じ面の壁を蹴ると、スイッチのある方向へ飛ぶことができません。

蹴る場所は四角柱の足場の角。そこを蹴らなければ、右側に飛んでいくことはできません。角を過ぎた奥の面の壁でもいいです。むしろそっちのほうが慣れれば安定するかもしれませんが、少々タイミングが難しいため、まずは角を蹴ることを意識しましょう。

Spiral Skip

5つ目のテクニック、Spiral Skip

使用する場所は19番目~20番目のスイッチです。この技は、足場の出現を遅らせて大ジャンプのタイミングに間に合わせるというものです。ここでは、その遅らせ方について解説します。

図に実際に通るルートを示してみました。

やっていることはシンプルで、スイッチの右隣を通り、スイッチを通り過ぎる瞬間に左入力をする、それだけです。スイッチを押した後はすぐにジャンプして奥の足場に飛び移りましょう。

それだけ?と思う方もいるかもしれませんが、この一瞬の遅れが大ジャンプによるショートカットにつながります。0.1秒のロスが、結果的に約0.6秒の短縮となります。

大ジャンプをした後はCrouch Grabsも忘れずに行いましょう。3連続で使う機会がやってくるので、この区間は非常に短縮要素が詰まっている場所です。

Hdnoftr(読み方:エイチディーナフター)

最後のテクニック、Hdnoftr。読み方は海外勢の発音を聞く限りだと「エイチディーナフター」のようです。正式名称は「How Did No One Find This Really(なぜ誰もこのことに気づかなかったのか)」です。

使用する場所は30番目のスイッチ~ゴールとなります。こちらもSpiral Skipと同じく、足場の出現を遅らせて大ジャンプのタイミングに間に合わせるテクニックです。

この技の肝は、①次に出現する足場までの最短距離かつスイッチの左側を通ること ②スイッチを押す瞬間にジャンプを入力すること この2つです。

について解説すると、次の足場の大ジャンプに間に合う猶予はかなり厳しいため、最短距離を通らなければまず間に合いません。かといって最短距離を通ることだけを考えてスイッチを適当な位置から押しても足場の出現には間に合いません。「スイッチの左側を経由する次の足場までの最短距離」がこのテクニックを成功させるルートとなります。

次にについての解説です。30番目のスイッチはスライディング、もしくはしゃがみ状態でなければ通ることができないため、RTAではスライディングで通り抜ける必要があります。しかしスライディングができる距離には制限があるため、1回のスライディングでは通り抜けられません。

そこでシフトキーをホールドしたままの状態で、スライディングの途中にジャンプを入力することでスライディングが連続で出せるという仕様を利用します。そうすればスライディングを維持して通り抜けられるため、減速することなく30番目のスイッチを押せます。

問題はジャンプを入力するタイミングです。スイッチを押す直前にジャンプをすることでスイッチを押すタイミングが遅れます。このジャンプによる遅れでようやく大ジャンプのタイミングに間に合うようになります。

この技ができるかどうかで1秒以上の違いが現れるため、RTAをするうえでは非常に大切なテクニックです。

(2022/3/6追記)Refunctの基礎動作についての講習会が行われました

Refunctのテクニックにおける真髄である「基礎動作」について、講習会が行われました。

ライン取りやジャンプのタイミングなど、そのような細かい動きについて取り上げたものとなっています。

これを見れば必要なテクニックは大方揃うような内容となっておりますので、お時間に余裕のある方は是非ご覧ください。

【講習会】Refunct Any% 中級者向け講習会【Refunct Japan Open 2022 冬の陣 直前スペシャル】

おわりに

今回紹介したテクニックは、どれも大幅な短縮が見込める技となっています。しかし、Refunct Any%の神髄は「洗練された基礎動作」です。世界上位のプレイヤーの動きは美しく、もはや芸術といっても過言ではありません。

この記事でRefunctに興味を持たれた方や、RefunctのRTAを既にプレイされている方がいらしたら、気になることがあれば私がお答えいたします。

RTAとしては非常に難易度が低くとっつきやすいゲームです。この記事がプレイヤーへの助けになれば幸いです。

Refunctのストアページはこちら

(この記事で掲載したゲームの画像は全て『Refunct』から使用しました)

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