【マリオ64】なぜ思いつかなかったのか……! 闇の世界のクッパにて更新案が見つかった件

thumbnail3Dアクションゲーム

まえがき

マリオ64のRTAは1つ1つの細かい動きまで研究されており、2020年の現在では細かい動きですら更新案を見つけることが困難な状態となっている。

数日前の2020年1月21日。

そんな状態であるにも関わらず、『闇の世界のクッパ(第1クッパ) 赤コインスター』の更新案が見つかってしまったのだ。

「なんで思いつかなかったんだろう」――今回はこんな言葉をこぼす人が続出したその更新案を紹介する。

更新案は後半パートにあり!

闇の世界のクッパの赤コインスターは大きく2つのパートに分けられる。

  • 前半パート: 最初~卵焼きの足場まで
  • 後半パート: 卵焼きの足場~スター取得まで

今回の更新案は後半パートにあるのだが、「卵焼きの足場って何?」となった方もいると思うので、まずはここから説明しよう。

このステージには左右に動く黄色の足場(以下の画像)があり、これを『卵焼きの足場』と呼んでいる。

bitdw_eggplatform

この足場はステージに入ってからの固定周期で左右に動いているため、赤コインスターでは、どの周期に乗れるかでタイムが大きく変わってくるのだ。

そのため、今までは『1つでも速い周期に乗る方法』――言い換えると『前半パート』が重点的に調べられてきた。

このことに関しては一度記事を書いたことがあるので、気になる方は読んでみてほしい。

【マリオ64】闇の世界のクッパのワンスターがケツで更新された件
2019年10月末。マリオ64のワンスターRTAにて、闇の世界のクッパ 赤コインスターの世界記録がMikko氏によって更新されたのだが、そこでは、BLJ(ケツワープ)が使われていたのである。 本記事にて、この更新の背景を語る。

つまるところ、卵焼きの足場以降の後半パートは「もう完成しているだろう」と結論付けてあまり考えてなかったわけだ。今回はまさにこの裏を突いた更新案となっていて、私も度肝を抜かれてしまった。

実際の更新案の参考動画は以下で、赤コイン7枚目の足場で反転ジャンプ+壁キックするだけのシンプルな案となっている。

独自に作った比較動画もあるので、次のセクションにてもう少し詳しく見ていこう。

更新案はRTAで使える?

議論内容を見たり自分で調べたりして分かったことは以下の2つだ。これをもとに更新案がRTAで使えるものなのかどうかを考察してみる。

  • タイム: 更新案のほうが現行ルートよりも0.7秒程度速い(以下の比較動画から)
  • 難易度: カメラをうまく使えば難しくない(主観)

更新案を考察する場合は『タイム短縮量(0.7秒程度)』と『難易度』のバランスを見るのが一般的である。タイムを短縮できても、難易度が高すぎる場合は採用できないからだ。

『タイム短縮量(0.7秒程度)』は説明不要だと思うので、『難易度: カメラをうまく使えば難しくない(主観)』のほうを説明しよう。

マリオ64のRTAでは、カメラをうまく使うことで3Dスティック入力を簡単にする小技がよく使われるのだが、今回はこの小技を使うと難易度が下がるように感じられた。

実際試したカメラの使い方は以下の通り。

(1) (6枚目の赤コイン回収後)右へジャンプダイブ

saltflipwk_1

(2) ダイブ復帰後Cボタン右を1回押して、着地時にマリオ遠目のカメラへ変更

saltflipwk_2 saltflipwk_3

(3) 少し歩いてから3Dスティック真左入力で反転ジャンプ+壁キック

saltflipwk_4 saltflipwk_5

この方法は操作が若干忙しいのがデメリットだが、上位プレイヤーであればこれぐらいなら難なく安定させられるのではないかと思う。

このようなカメラの使い方もあるので「この難易度で0.5秒以上タイム短縮できるならおいしいのではないか」と私は感じた。

その他、例えば16枚RTAでは、このスターは最初に回収するスターであることから、何度もリセットしてやり直すことで無理やりこの更新案を成功させるというやり方もできる。

この側面も含めて、今回の更新案はRTAで使える案なのではないだろうか。

むすび

今回は、軽くではあるが、一部のプレイヤーの間で話題となった更新案を紹介した。

マリオ64のRTAの案は、Discordにある『マリオ64 Speedrunサーバ(海外)』の『ideaチャンネル』内でよく議論されている。

投稿される案は9割以上が既出案であるものの、まれに今回のような有用な案が投稿されることもあるので、興味のある方は覗いてみても良いかもしれない。

(記事内のスクリーンショットは私の手持ちの動画から)

コメント

  1. Anki より:

    思ったんですけど、DW赤なしで変わりのスターをLLLの火山リフトに変えると、どれくらいの差があるのでしょうか?
    DW赤あり-DW赤なし=18秒
    LLLのスター=18秒
    なので、タイム差はあまりないと思いますし、ならばLLLのスターを1枚追加した方が、ルートが簡単になるも思ったのですが…

    • コメント有難うございます。16枚RTAの話で合っていますでしょうか。
      結論を先に述べると、9秒程度BitDW赤コインスターのほうが速いです。

      RTAを考慮した場合、個別スターのXcamタイムだけを見るのでは不十分です。

      まず、LLLリフトツアースターは、Xcamのタイムに以下の2区間のタイムを加えなければなりません。
      1. (別のスターを回収し終えた後)ステージに入り直すまでの区間
      2. (該当スターを回収し終えた後)ステージから出てセーブ画面が終わるまでの区間

      続いて、BitDW赤コインスターは、Xcamのタイムに以下の1区間のタイムを加えなければなりません。
      1. (該当スターを回収し終えた後)土管に入るまでの区間

      この点を考慮して、実際のRTAレベルで計算すると、
      BitDW赤コインスター(シゲルサイクル) = (48秒 + 5秒) – 27秒 = 26秒
      LLLリフトツアースター = 20秒 + 6秒 + 9秒 = 35秒
      となり、BitDW赤コインスターのほうが9秒(35秒 – 26秒)程度速いことになります。

      ちなみに、LBLJルートの場合は、WFの扉を解放するのにスターが1枚必要なのでBitDW赤コインスターの回収が必須になると思います。

      • Anki より:

        なるほど。
        ご丁寧な解説ありがとうございます。
        砦に関しては先にLBLJで砦に入る(安定はしませんが、完璧で1秒程度早くなると記憶しています)構想を考えていましたが、それでも9秒の差は大きいですね。
        非常に参考になりました。
        ありがとうございます。

タイトルとURLをコピーしました